春季学びーば8活動前日、三月二十四日のことになります。

私達学生ボランティアチームは震災から3年が経つという事もあり震災学習プログラムの一環とし岩手県大船渡市の三陸鉄道・南リアス線で運行されていた震災学習列車に乗ってきました。乗車したのは今活動に参加したメンバー、そして鶴見大学副学長の前田先生も乗車されました。

Dsc_0583

マスコットキャラクターのつるみんも一緒に乗車happy01

この時電車につるみんとつるたんのプレートを付けさせていただきましたshine

Dsc_0588

この震災学習列車は四月五日に三年ぶりに運行再開された三陸鉄道・南リアス線の盛駅~吉浜駅間を走ります。運行再開を控えて路線は試験運行車両が走っているのですが、その中に震災学習列車も走り、車窓からの沿岸部を見つつ、その土地での震災時のお話を聞かせていただくというものです。

Dsc_0608

私達が乗った時ガイドしてくれたのは三陸鉄道南リアス線運行部運行部主任をされる熊谷松一さん。

Dsc_0607

初めに今の状況をお話しして頂きました。

復興は進んでいるが未だ瓦礫が撤去できただけで以前はJRが主な交通手段だったが気仙沼線(柳津~気仙沼間)”及び”大船渡線(気仙沼~盛間)”の仮復旧として代わりとなる交通手段がBRT(バス高速輸送システム)なっているそうです。電車と違いバスなので一度に乗れる旅客数は減ったのですが本数が増えているとのこと。

次にお話して頂いたのは太平洋セメントさんが瓦礫撤去をするための設備を作り活動されていると言うお話でした。

石灰石を混ぜて1日の300tのコンクリを作っていて3月には瓦礫撤去が終わるそうです。

まるまる三年かかったことになります。

Dsc_0643

南リアス線の盛駅~吉浜駅間はトンネルが多く14ヶ所もあり7割がトンネルと橋だそうです。このトンネルと橋の復旧には108億円の復旧費用がかかる計算だったのですが青森自衛隊の線路が瓦礫撤去した事により実際は92億円の復旧費用になったそうです。

津波の被害で使えなくなっていた線路を新たに作ろうとしたとき縄文遺跡の貝塚が見つかったため当初の場所より100m離れた所に作る事になりました。

昨年の2月に新車両を3両作るが津波で3両とも壊れてしまいましいた。それを知りクウェートが400万バレルの原油を支援しそれを被災3県で分けました。レトロ列車も含め4両400億円をクウェートの支援で作製することが出来たそうです。

感謝の意味を込めて国旗を車体に入れることを申し出るもわざわざ入れなくていいと言われせめて紋章だけでもと申し出ると紋章を入れることを容認して頂いたので電車の前にクウェートの紋章が入っています。

Dsc_0761

電車には感謝の言葉も入れられてました。

Dsc_0742

綾里についてもお話しして頂きました。綾里では数十年に一度は大津波が来るそうです。そのため誰もが一度は津波を経験するそうです。

綾里に住んでいるおばあさんは3回も経験しているとも言っていました。

綾里の小学校についてのお話も聞きました。綾里小学校では当時子ども達は全員学校に居たのですが駅に集合して山側土手に避難した時ガイドの熊谷さんの長男(6年生)が「寒かった」と言っていたそうです。綾里小学校では「津波」の劇があり(3.11より以前)津波に対する意識が高い子ども達が多い一方で、大人たちの方が意識が低く海を見に行ってしまい被害に遭ってしまう人もいたようです。

Dsc_0712

綾里湾は陸の孤島になる地形のため防潮堤は壊れたままで孤島になる地形ため支援物資が届くのは3日後(3.11より)でした。そのため熊谷さんは3日分の食糧が必要と言っていました。当時はプロパンガスの世帯がほとんどだったためガスは使えたという幸運もあったようです。

特に苦労したのが安否確認、家族で最終避難場所を決めておくべきだと言っていました。

Dsc_0739

小石浜駅についてお話しして頂きました。小石浜駅は傾いた場所にあったため駅は元々ありませんでした。小石浜にはホタテの養殖所があったのですが津波で壊されてしまいましたが、今は8割回復しているそうです。しかし青年会の人が小石浜ブランドのホタテを復活させました。小石浜駅にはホタテの貝殻に復興の願いが書かれています。

Dsc_0758

今は恋し浜と言う駅名になっています。

Dsc_0768ほれい地区では海が近いので家屋が津波、押し波、引き波で壊されることもあるそうです。それでもほれい地区にあった松は津波にあっても生きていました。

ほれい地区では防潮堤の工事をしていて3mだった物のを新たに10mに作り直しました。第二の防潮堤も国から認められお金もでています。

復興が進むことで工場や造船所が稼働するようになっても、設備投資がなかなか出来ないと言っおられました。仕事は多くともそれが落ち着けば以前の仕事量に戻ります。だからこそ軽々に人を雇うことはできないそうです。

被災地では正規雇用する事業者が少ないとは聞いておりましたが、なるほどと思わされるお話です。

Dsc_0816

三陸駅で黙祷をさせていただきました。三陸駅ではアパートや下宿は全て流されてしまったそうです。沿岸部の被害はやはり想像を絶します。

越喜来(オキライ)地区では津波がまっすぐ入ってくるので被害が大きく駅の中まで浸水しました。「そろ」と言う老人施設では50名近くの方が亡くなられ、埼玉から来られた生徒さんも車いすの避難の手伝いをしていたが間に合わなかったそうです。なんとも痛ましいお話で言葉がありませんでした。ご冥福をお祈りします。

Dsc_0931

越喜来地区では今防潮堤の工事をしていて住民の意見で10~14mの高さの防潮堤を作っています。高すぎると湿気がこもってしまいますが、10m以上はないといけないそうです。

地震の影響で地上の地形が変わり海中も同様に変わってしまいました。そのことで潮の流れが速くなり漁に出られなくなる日が増えたそうです。

 どこにも、誰にも震災の今も明確なかたちで影響が残っていると感じます。

よしやて地区のお話もして頂きました。よしやて地区は奇跡の集落と言われていて、流された家が4件で亡くなられた人が1人とまさに奇跡だと思いました。しかしそれにも理由があります。沿岸部なのに何故これほど被害が少ないというと明治に「ここより低いところには家を建ててはいけない」と決められていたそうです。

低い場所は元々農地として使用していたため県道より下には建設しなかったそうです。

先祖の教えを守ったおかげで被害が少なくてすんだ、私たちも地元で言い伝えや経験談を見つめなおす必要があるのでしょう。

Dsc_0938

ちなみに終点の吉浜駅では志村けんさん1日駅長さんをしたとのこと。

志村さんにならって復興願い敬礼confident

Dsc_0949

今まで気仙沼を中心に活動してきましたが、岩手でまた震災を見つめなおし、地元で活かすことを考えなおすことができました。

三陸鉄道南リアス線、北リアス線が運行再開したのは地元の皆さんの大きな喜びだったでしょう。

震災以前の風光明媚な景色は車窓から見える津波の爪痕が残る景色でも想像することができました。いつか美しい三陸の海をまた三陸鉄道から見てみたいと思います。

この度、お世話になりました三陸鉄道の皆様ありがとうございますhappy02

 紙谷

本日はいよいよ鹿折・学びーば最終日です。

Dsc09873

4日間という短い期間でしたが、初参加の方々は皆口を揃えて「あっという間だった」や「楽しかった」等と感想を述べておりました。

子ども達は「もう終わっちゃうの?!」「もっと学びーばやりたい」「夏も来るね!」と言ってくれました。

予定としては学びーばを2時間やったあとに閉校式を行いますので、午前で終了となります。

そして本日大谷は午前中離任式なため、閉校式手前まで私たちと合同学びーばです。前日は大谷小学校での学びーばに参加していた東京都市大の方々は今度は鹿折の学びーばに参加です(詳細は学びーば8in大谷からご覧下さい。)

Dsc09849

Dsc09871

Dsc09844

初参加のお兄さんお姉さんも登場して最終日ながら子どもたちは元気いっぱいhappy01

学習と運動を終えたらここで大谷メンバーは大谷小学校での閉校式へと向かい、鹿折・学びーばもとうとう閉校式です。

場所は体育館、つるされているこいのぼりを見た子どもは自分達がデザインしたものを探して盛り上がってましたconfident

P1020537

そして私たちは、子どもがデザインしてくれたTシャツを身にまとい…

Dsc09898

Dsc09900

閉校式が始まりました。
鹿折も班長が急遽帰らざるを得ない事情があったため、森代表と井水が取り仕切ります。

P1020555

閉会式には藤村校長先生も参加されて、ご挨拶を頂きました。

Dsc09907

Dsc09908

ちなみに今回のイベントで作ったこいのぼりは学校側で保管し、入学式や運動会等生徒を交えた学校行事に使われる予定だとお話されました。

こいのぼりを見てこの学びーばの楽しい記憶も思い出してもらえたらと思いますshine

そしてやって参りました皆勤賞授与式!

P1020570

P1020581111111111

毎日学びーばに参加してくれてありがとう!

その後は私たちメンバーが一言ずつ今回の活動においての感想を述べて、全員で集合写真を撮り閉校式は幕を閉じました。

Dsc09924

終わった後もすぐに帰らず私たちとお話をしたり、別れを惜しむ子もチラホラ…。

笑顔の絶えない閉校式…学びーばとなり非常に良い思い出となりました。

今季もこのような活動が出来たのは保護者の皆様、鹿折小学校教職員の方々及び校長先生、地元の支援者の方々など、たくさんの方のご協力、ご支援あってのものです。

今回も大変お世話になりました。この場をお借りして感謝を申し上げます。

そして、学生ボランティア「学びーば」を今後とも宜しくお願いいたします。

閉校式を終えた後の午後は徹底的に小学校内をお掃除です。

「来た時よりも綺麗にして帰る」これはもう活動中の私たちのモットーですね。

感謝の気持ちを込めてお世話になった教室廊下を美しくします。

こうして「学びーば8 in 鹿折小学校」も無事終わることが出来ました。

次の活動に向けて私たちは日々精進していきます。

ありがとうございました。

井水

S M T W T F S
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      
RSSを配信しておりますRSS