新しい学習指導要領では、高等学校において「総合的な探究」の授業が始まります。今年度から開講した学校司書養成プログラム対象科目「学校教育概論」(専門科目名「情報サービス各論Ⅱ」)では、司書教諭課程受講者2名、司書課程受講者5名が在籍することから、大学図書館の所蔵資料を活用しつつ高校生を対象とした授業を行うという設定で、2つの模擬授業を企画・実践しました。テーマは「情報」と「国際理解」です。

 12月24日午前、大学図書館2階の学修支援スペースにおいて「国際理解(非言語コミュニケーション)」の模擬授業を実施しました。神奈川県立高校の学校司書さん2名、横浜市立中学校の学校司書さん1名がご参加くださり、グループに分かれて「シンボル」、「ジェスチャー」、「マナー」について図書資料と学生手作りのワークシートを使った調べ学習を行いました。

 用意されたチャートにすべての回答を記入すると、フランス、イスラム圏、アメリカなどの国別の文化の特徴に分かれるなど工夫の見られた授業案でしたが、学校司書の皆さんからは、「テーマごとの資料のほかに辞書・事典類も必ず備えておくとよい」、「授業時間が限られている中で、いかに効率的に資料に導くかが司書の腕の見せ所」と言った的確なご指摘をいただきました。学校図書館の現場で働くプロの方々の視点が加わることでとても充実した体験となりました。お忙しい中ご参加くださった司書の皆様、ありがとうございました。

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現役の学校司書さんたちもワークに参加してくださいました!ありがとうございました!

(文責: 河西由美子)

こんにちは。教員の久保木です。
写真がなく、文字が多くて、いささか見栄えのしない記事ですが、報告などを兼ねまして。

Webのニュースサイトや新聞などで見た人も、あるいはいるかもしれませんが、3月22日(火)に、岡山の林原美術館で、『明月記』という古い写本の新出部分が発見された、という記者発表が行われました。こちら↓など、です。

 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160322/k10010452621000.html

この『明月記』は、12世紀末~13世紀前半に活躍した、藤原定家(ていか)の日記です。
定家は歌人、歌学者、古典学者として、のちの時代に大変な影響を及ぼしました。

また、定家が関与した写本の実物も多く残っていますので、それら「定家本」は、書誌学コースとしても、きわめて重要な研究対象となります。
(私が担当しているどの授業でも、定家の名前が出ないことは、まずない、はずです)

 さて、そのような定家の日記『明月記』の原本が、定家の子孫の冷泉家(現・公益財団法人冷泉家時雨亭文庫)に大量に伝わっており、国宝指定も受けています。

が、江戸時代を中心に、一部分、外部に流出し、それがさらに分割されて、「ほかならぬ定家の筆蹟!」ということで、美術品として扱われ、コレクションの対象とされてきました。

そうした、分割された『明月記』断簡の中には、転写本すらなかったために、これまでまったく知られていなかった記事が含まれていることがあります。

今回の、林原美術館で発見された1点も、断簡としてはもちろんのこと、内容としても、完全に新発見、というものでした。

さて、前置きが長くなりましたが、今回の発見は、私が(いちおうの)代表を務めている共同研究の研究成果として、もたらされたものでした。

昨2015年の3月に、林原美術館のご厚意により、ご所蔵品の調査を進めていた中で、メンバーの皆さんと一緒に、『明月記』の新出の1点を発見した、という次第です。

ただ『明月記』に関しては、私などより、専門としてはよっぽど近い研究者―上掲ニュースに出てくる藤原重雄さんが、メンバーの中にいましたので、詳しい研究はすべてお任せし、記者会見でもご担当をお願いしました。

ですので、内心、私なんかは記者会見にいなくても…と思わないでもありませんでしたが、やはり立場上、そういうわけにもいきませんでしたので、(きわめて不向きながら)出席することとなりました。

何しろ記者会見なんて、初めての経験ですので、気がひけるような感覚は、最後まで残りました。

が、調査をご快諾いただいた林原美術館(本当にありがとうございました!)へのご恩返しとして、少しはお役に立てたようですので、その点は、よかったな、と思っています。

ちなみに、各種メディアでも、やはり『明月記』がメインで取り上げられましたが、林原美術館のこちら↓のサイトで、より詳しい内容を知ることができます。

http://www.hayashibara.co.jp/press.php?id=409

なお、本学図書館ブログでも、今回のことについて、書いてくれました。あわせて、お目通しいただけましたら。

http://blog.tsurumi-u.ac.jp/library/2016/03/post-6e96.html

ついでに一言。

2月~3月にかけて、学生の皆さん同様、ドキュメンテーション学科の教員も、基本的には授業自体はありません。

しかし、それに伴い大学の仕事も全部なくなる、なんてことは、当然と言えば当然ですが、これっぽっちもないのですね。

ただ、授業期間に較べれば、少しは動きやすくなりますので、ほんのちょっとでも時間があけば、すかさず出張の予定を入れて、全国各地を飛び回り、古い書物や、断簡などの実地調査をしています。

その際、結構むりやり、スケジュールを組んでいきますので、これを書いている今などは、けっこうヘトヘトになっています。

それでも、調査によって、新しいことが分かったり、新しい問題点が見つかったり、という大小さまざまな発見があるのは、この上なく嬉しいことであり、楽しいことなのですね。

そうして、研究者としての研究を進めつつ、また新学期を迎え、授業が始まった時には、さっそく調査の成果を、授業内容に組み込んだりもしています。

来年度の授業でも、きっと定家や、定家本のことを取り上げることになるでしょう。

今回の明月記の話題や、そこから展開していく様々な問題についても、いろんな形で、お話ししていければと、考えているところです。

ではまた新学期、お目にかかります。

(2016.3.26、一部分書き換えました)

こんにちは。書誌学コースの久保木です。

このたび、神奈川県の「大学発・政策提案制度」という制度に、ドキュメンテーション学科・日本文学科による提案が採択され、表彰されました!

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「大学発・政策提案制度」とは、神奈川県に関するさまざまな問題や課題について、県と大学とが一緒になって取り組むというものです。県内の大学から提案を募り、公開コンペ形式の審査によって、採択課題が決まります。

今回提案したのは、少し長いのですが、次のようなタイトルです。

「小学生が日本と世界の古典籍類を実見・体感し、知性を刺激して感性を涵養するためのプログラムと教材の開発と実施の提案」

要するに、本学図書館と神奈川県立図書館が所蔵しているたくさんの貴重書やコレクションを、県内の小学生に、実際に見たり、手に取ったりしてもらいながら、文字文化や書物文化に興味を持ってもらおう、知的な関心を高めてもらおう、というものです。

私(久保木)が立案者、日本文学科の中川先生が共同立案者です。本学図書館や関係部署はもちろんのこと、県立図書館のご協力もいただいています。

8月19日に、神奈川県庁で公開コンペが行われ、黒岩県知事や、県内有識者の皆様の前でプレゼンテーションした結果、ぶじ採択されました。16校中4校という、なかなか狭き門でした。

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プレゼンテーションでは、鎌倉幕府の法令書『御成敗式目』の現存最古写本のひとつや、『解体新書』の原本、その他多くの貴重な古典籍を持参し、審査員や聴衆の方々に、実際に手にとっていただきました。その時の様子は、次のサイトなどでも見ることができます。

神奈川県HP「大学発・政策提案制度」

写真で見る!「黒岩日記」

来年度から2年間、ドキュメンテーション学科の伊倉先生や、日本文学科の高田先生・中川先生、また両図書館の図書館員等が協力しながら、プログラムの作成と実施、改善などを行っていく予定です。もちろん、文化財の保護にも十分気をつけます。

ドキュメンテーション学科の学生の皆さんにも、協力をお願いすることがあると思います。

また、ぜひこの企画に参加してみたい!という学生さんがいたら、ぜひとも久保木までご連絡下さい。立候補、お待ちしてます!

shine     shine      shine      shine

平成25年度オープンキャンパス

 

平成25年 9月15日(日)13:00~ (15:30受付終了)

 

高校1・2・3年生と、保護者の方を対象としたオープンキャンパスを開催します。ドキュメンテーション学科のまなびの内容を詳しく紹介しますので、関心をお持ちの方はぜひ参加ください。

本学科の内容を詳しくお知りになりたい方は、ドキュメンテーション学科紹介ビデオをご覧ください。

ドキュメンテーション学科ホームページ

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