[情バリ] ガイドによる視覚障害者移動支援活動@サイトワールド2016
2016/12/17
高校生・受験生の皆さん、こんにちは。 ドキュメンテーション学科 情報学コースの元木章博です。 私は、図書館 に、ICT(Information and Communication Technology)を、どんな風に活かしていくことが出来るのかを、ずーーーーーっと考えています 受験生の皆さんも、高校生の皆さんも、私や少しだけ先輩の大学生たちと一緒 に、パソコン やコンピュータ と図書館 のことを考えてみませんか? いつもよりは、ちょっと真面目!?に考えてみました。
日本図書館協会図書館政策特別委員会による「公立図書館の任務と目標」における、第2章「市(区)町村立図書館」2「図書館サービス」にある以下の記述に注目しました。 一部、引用します。
-- 引用(ここから)--
18.高齢者の人口比や社会的役割が増大しているいま,高齢者へのサービスについては,その要望や必要に応じた資料,施設,設備,機材の整備充実に努める。さらに図書館利用の介助等,きめこまかなサービスの提供に努める。
19.障害者をはじめとして図書館の利用を疎外されてきた人びとに対して,種々の方途を講じて図書館を利用する権利を保障することは,図書館の当然の任務である。
-- 引用(ここまで)--
こういった、高齢者・障害者の方々へ、図書をはじめとする資料へのアクセスを保障することは、もちろん非常に重要なことです。 ただし、ここでは、高齢者の介助等の必要性については述べられています。 しかし、それよりも手前の図書館自身へのアクセスを保障することも重要です。 それについては、日本図書館協会(製作責任、障害者サービス委員会)が公開されている「図書館における障害を理由とする差別の解消の推進に関するガイドライン」における5「基礎的環境整備」(3)施設設備の整備には、以下の記述があります。
-- 引用(ここから)--
障害者・高齢者が円滑に図書館を利用できるよう、施設・設備の改善と整備に勤める。
①図書館までのアクセス: 最寄り駅からの視覚障害者誘導用ブロック、障害者用交通信号付加装置(音響式信号機等)等
-- 引用(ここまで)--
(3)施設設備の整備において、図書館の施設や土地の外側に対する言及が行われているのは、視覚障害者による図書館への交通アクセスという観点において、素晴らしいことであると特筆するべき内容だと思います。 委員会の皆さんのご努力が伺えます。
もちろん、こういったハードウェア面での基礎的環境整備が必要であることは言わずもがなと思います。 そして、この次に整備を行いたいのは、ソフトウェア面での取り組みです。 多くの視覚障害者の皆さんは、活字からの情報取得が難しかったり、出来なかったりします。 しかし、それとは別に、他の問題もある場合があります。 彼らは、移動困難者でもあります。 もちろん、晴眼者でも怪我をしたりすれば、同様に移動困難者になります。 国立民族学博物館・准教授で、日本宗教史や触文化論がご専門の広瀬浩二郎先生は、ご著書「身体でみる異文化 目に見えないアメリカを描く」のp.75-76で、以下のように述べられています。
-- 引用(ここから)--
出張二日目の昼食をとるため、ホテルのフロントで「近くにあるレストランを教えてください」と尋ねた。僕が自力で行って帰ってくるためには、なるべく近距離で、直線移動できるレストランが望ましい。目と鼻の先にあるはずのレストランに、なかなかたどり着けない。こんなことはしばしばある。鼻と耳を頼りに、僕は寒いボストンの町中をふらふら歩く。・・・(中略)・・・さらに歓迎すべきことに、レストランの店長が僕をホテルまで送ってくれるという
-- 引用(ここまで)--
広瀬浩二郎先生のご著書は、鶴見大学図書館でも借りることが出来ます。
身体でみる異文化 : 目に見えないアメリカを描く / 広瀬浩二郎著 配架場所は「開架 一般」で、請求記号は「369.275/H」です。
こういった手引きは、移動困難者である視覚障害者にとって、とても良いサービスであることは間違いありません。 司書をはじめとする図書館スタッフによる、こういった移動支援の実施が望まれると思います。
さて、長くなりましたが、情報バリアフリー推進会では、こういった考え方に基づいて、加えて、日本点字図書館からの応援要請もあり、視覚障害者向け総合イベントであるサイトワールド2016に、学生6名(3年生:3名、2年生:3名)が視覚障害者移動支援活動のお手伝いに行きました。
晴眼者の方も来場しますので、こういった看板での誘導も行います。
それから、エレベータの前では、誘導に加えて、フロアのご案内も声を出して実施します。
そして、視覚障害者の移動支援も、もちろん実施します。 駅の改札口前で待機していて、来場者と思しき白杖を持っている方々へお声掛けします。 そして、以前のブログ記事(「[PJ-A/情バリ]「視覚障害を理解する!」講演会+視覚障害疑似体験@紫雲祭2016」)でご紹介しましたが、紫雲祭の時に学んだ誘導を実践します。
来年6月には、鶴見大学で、視覚障害リハビリテーション協会の第26回研究発表大会が開催される予定です。 その時にも、力を発揮できると思います!
来年、サイトワールド2017が、2017/11/01-03で開催予定です。 また、情報バリアフリー推進会が、お手伝い出来るように頑張っていきたいものです。 日本点字図書館さん、我々へのお声掛け、ありがとうとざいました!
平成29年の鶴見大学春のオープンキャンパスですが、もうすぐ詳しい情報が出ますので、楽しみにしてて下さいね。 受験生・高校生の皆さんに、お会いできることを、楽しみにしています。 では、また。
日時:2016/12/17 13:30もと散歩情報保障社会教育