[PJ-A/情バリ] 日本点字図書館オープンオフィス2016に行って来ました!(その1)
2016/12/26
図書館 好きの皆さん、こんにちは。 コンピュータ部 と情報バリアフリー推進会顧問で、ドキュメンテーション学科 情報学コースの元木章博です。 と、ここまでは、いつもの滑り出しなのですが、今回と次回(その2)の記事は、ドキュメンテーション学科4年で、情バリ 所属 かつ 元木研ゼミ長のWさん とともにお伝えします。 どうぞ宜しくお願い致します。
元木先生 「では、Wさん。 早速ですが、今回、我々が行った日本点字図書館までの道のりを簡単に説明してくれますか?」
Wさん 「はい、分かりました。 ドキュメンテーション学科4年で、元木研ゼミ長のWと申します。 宜しくお願いします。 今回、元木先生や他の学生の皆さんと一緒に、2016年11月中旬に開催された日本点字図書館オープンオフィス2016へ行って参りました。 日本点字図書館は東京都新宿区の高田馬場駅から徒歩5分くらいの場所にありました。 いくら近いとはいえ、駅の改札口から、日本点字図書館までの歩道や横断歩道には、視覚障害者誘導用ブロック(通称:点字ブロック)や、エスコートゾーンまで、ばっちり敷設されていたのは、驚きでしたよね 」
元木先生 「点字ブロックに気が付く人は多いけど、エスコートゾーンを話題に出してくるのは、さすがですね。 エスコートゾーンは、視覚障害者誘導用道路横断帯とも呼ばれていて、その名の通りですね。 今まで、各都道府県の警察の方々が工夫をして設置してくれていましたが、『エスコートゾーンの設置に関する指針の制定について(通達)』(警察庁庁規発第42号 平成19年5月25日)で統一基準が示されたことで、これから更に設置が進むと期待されています。 図書館へ向かう道へ点字ブロックの敷設が望まれることを、日本図書館協会が指摘していますが、エスコートゾーンについても同様ですね。 例えば、こんな写真でしょうか。」
元木先生 「これは、東京の四ツ谷駅から社会福祉法人日本盲人職能開発センターへ向かう途中にある点字ブロックとエスコートゾーンが敷設されている道路の写真です。 さすが、視覚障害者の皆さんが常時、使われている歩道と道路だけあって、歩道の点字ブロックは当然として、その点字ブロックとエスコートゾーンが完全に接続しているのが、見てとれますね。 さて、・・・」
Wさん 「(小声で・・・) 先生、先生・・・お話が、ちょっと長い気が・・・」
元木先生 「(はっ、ありがとう) ところで、Wさん。 今回の見どころは、どこだったんでしょうか?」
Wさん 「では、簡単にご説明致します。 日本点字図書館のオープンオフィス2016は、館内の見学ができるのはもちろん、普段は絶対に入ることが出来ないところにまで入ることが出来たり、さまざまな楽しくて貴重な体験をすることができました。 今回は、その一部を、お伝えします。 ですが、その前に集合写真を、どうぞ!」
Wさん 「上の写真ですが、開場前に到着した我々に気が付いた中村さん【川崎市視覚障害者情報文化センター(旧・川崎市盲人図書館)の歩行訓練士】が、わざわざ館内から出ていらして、我々の写真を撮影して下さいました。 中村さん、ありがとうございました。 中村さんは、今年の紫雲祭にご来場いただき、視覚障害者に対する接し方に関するお話を頂戴したり、誘導体験のご指導を頂戴しました。 その節は、大変お世話になりました。 そのブログ記事【[PJ-A/情バリ]「視覚障害を理解する!」講演会+視覚障害疑似体験@紫雲祭2016】は、こちらです。」
元木先生 「集合写真の件、ありがとう。」
Wさん 「いえいえ。 では、私たちが体験した、とても楽しかった、そして珍しかったことを、ご説明します。 日本点字図書館の業務の1つである本の貸し出し業務を体験しました。 点字が印字されている紙を受け取り、点字の一覧表を頼りに書名を読み取ります。 正直に言いますと、本のタイトルが点字で記されているので、みんな、読むのに苦戦していました。 そして、今回は日本点字図書館が貸し出しているDAISY図書の書庫へ向かいます。 写真は、ドキュメンテーション学科1年生のBさんです。 Bさん、該当するDAISY図書を閉架書庫の書架から見つけた様です・・・
Wさん 「その後は、出納したDAISY図書を貸出先の方と紐付けるために、バーコードリーダーで手続きをします(ぴっ!」
Wさん 「あとは、発送を待つばかりですね。 これらは、2トントラックで郵便局へ運ばれていきます。 凄い貸出量ですよね。」
元木先生 「そうですよね。 それでも、最近は、点字図書よりもDAISY図書の貸出量の方が多いそうです。 平成25年10月に実施された点字利用と読書に関するアンケート調査には、以下のようにまとめられています。 その一部を引用します。」
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点字図書、録音図書をどのように使い分けているかを様々な場面について聞いたところ、次のような回答であった。
録音図書はニュースのような速報性のあるもの、雑誌のような雑学的、娯楽的な情報へのニーズが高い。これらは、広く浅い情報であり、情報量も多い。じっくり座って聞いてばかりはいられないので、通勤中や家事をしながらでも聞くことができ、しかも早聞きができる録音図書を好む人が多い。一方、学習や調べ物ものなどの、正確性を求められるもの、しっかり覚えたいものは回答者の8~9割の人が点字を利用している。ニュース性のあるものでも、人名や固有名詞を正確に把握したい場合なども点字を選択する。また、「調べもの」の際に約9割の人が「辞書」を挙げている。
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元木先生 「日本点字図書館の利用者の中でも、色々と使い分けが行われているんですね。 そろそろ、このブログ記事(その1)を終わろうと思います。」
Wさん 「体験したことは、まだまだ、たくさんあります。 続きを、お楽しみに~ 」
この活動は、平成28年度鶴見大学(第一期)学長裁量経費による事業の一部です。
来年6月には、鶴見大学で、視覚障害リハビリテーション協会の第26回研究発表大会が開催される予定です。
平成29年の鶴見大学春のオープンキャンパスですが、もうすぐ詳しい情報が出ますので、楽しみにしてて下さいね。 受験生・高校生の皆さんに、お会いできることを、楽しみにしています。 では、また。