渡部先生が言われている「よいかげんな知」は、曖昧(複雑)な物を、曖昧(複雑)なまま捉える事の大切さを唱えています。

戦後、三大白物家電が多くの家庭に導入され、テクノロジーにワクワクした頃、正しい情報を「きちんとした知」として記録することが良しとされてきました。しかし、その後、未だもってアトムは生まれていません。

 

渡部信一著、超デジタル時代の「学び」 よいかげんな知の復権をめざして、新曜社、2012年発行

鶴見大学図書館の請求記号は、375.199/Wです。開架一般の書架にあります。
 
 
自分の周辺にある全ての情報を全て認知し、識別することは意味が無いことが多いと思います。ならば、我々はどのようにその情報を処理しているのか。それが「よいかげんな知」へのアプローチなのだと思います。
 
教員は、キチッとした知識を、能率良く伝える事に重きを置き、評価のポイントをそこに置きがちですが、それだけでいいのでしょうか。学習評価をするポイントは、指導案を書く際、KSAに代表されます。
 
◆知識(K / Knowledge)
◆技術・技能・スキル(S / Skill)
◆態度(A / Attitude)
 
教育情報学という観点で、学習支援システムを作っている立場として、正解・不正解の判定をする必要がありますが、「よいかげんな知」を目指すなら、違った観点も入れていく必要があるということを学びました。 

平成25年度第一回オープンキャンパス

5月26日(日) 13:00~16:00 ※15:30受付終了
高校1・2・3年生と、保護者の方を対象としたオープンキャンパスを開催します。ドキュメンテーション学科のまなびの内容を詳しく紹介しますので、関心をお持ちの方はぜひ参加ください。

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6点点字を考案したのは、フランス人のルイ・ブライユですね。

この方のお名前が、点字の英単語【 Braille 】の元になっています。
 
そして、この6点点字を日本語でも使えるように改良を重ね、日本訓盲点字を作られたのが、石川倉次です。
 
そして、日本盲人図書館(現在の日本点字図書館)を作られたのが、今回、読んだ本の著者である、本間一夫です。
 
本間一夫著、指と耳で読む -日本点字図書館と私-、岩波新書(黄版) 138、1980年発行
 
鶴見大学図書館の請求記号は、016.58/Hです。新書の書架にあります。
 
子どもの頃に中途失明した彼は、13歳まで生家で引きこもっていましたが、その後、函館盲啞院で同じ境遇の子どもたちと正規の学校教育を受けるようになります。
 
そこで彼が出合ったのが【点字】だったのです。
 
それまで、周りの人たちに読んでもらわない限り出来なかった読書が、自分一人で出来るようになった彼は、たくさんの本を読破しました。ただ、その点字本の少なさは残念で仕方が無かったようです。
 
中等部での学業を終えた後のことを同窓生と話しているうちに出会った好本督(よしもとただす)先生の著書にあったイギリスの文化の記述に「ロンドンには、世界一大きな点字図書館があって・・・」があり、日本には点字図書館が無いので、作ったらどうか!?と思ったそうです。
 
この後の話は、彼が関西学院大学に進学したり、日本盲人図書館を立ち上げ、その後の波乱万丈な人生についてつづられています。
 
以前、日本点字図書館に見学に行きましたが、この読書を通じて、【そこに在る】日本点字図書館の過去を思い返してみると、感慨深いものがありました。
 
図書館好きの受験生の皆さん、図書館には様々な種類があります。
是非、色々な図書館を訪れてみて下さい。
 
 

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