今回は、暫間被覆冠(ざんかんひふくかん)の形成の実習についてご紹介しますね。

虫歯の治療で金属や陶材の被せモノをするために歯を削ったあと(支台歯形成といいます)、型を採って被せモノを作る間、削った歯を変形や破折せずに食事を出来るように、一時的に仮歯をかぶせるのですが、それを「暫間被覆冠」といいます。臨床の現場では、「テック(tek)」と呼ぶことが多いです。

今回は既成冠を使って作製したので、その様子をご紹介しますね。

 

使う器材はこちらです。1_2

 

自分が使う分を準備します。

2_2

 

こちらが使用したレジン(ユニファースト)です。3_2

※写真はGC社のホームページよりお借りしました。

 

既製冠の中にレジンを盛ります。4_2

 

支台歯形成の模型の歯に圧接します。5_2

 

はみ出たレジンは、探針(たんしん)を使って取り除きます。 6_2 

固まったら外して、マージン(歯の部分と被せモノの部分の境界のこと)部分に印をつけます。

7_2

マージン部分を削りだします。

8

 削るとレジンの粉末が飛び散るので、バキュームを使ってなるべく吸い込むようにしています。9

実習はこのように2人1組で行うことが多いので、お互いに協力しあうことも学んでいきます。

歯科衛生科では、1年生前期~2年生前期の基礎実習で、歯科衛生士の三大業務である、①歯科予防処置論、②歯科診療補助論、③歯科保健指導の実習を行います。

今回は、窩洞(かどう:う蝕治療ために歯を削って出来る穴)や、根管治療中の蓋をするための「仮封(かふう)=仮の蓋」についてご紹介しますね。「仮封」することによって、歯科医院での治療と治療の間に、細菌の侵入を防いで、歯を守ることができます。

 1

 こちらは、仮封のために使用する薬です。左側が「DuraSeal(デュラシール)」というレジン系仮封材、右側が「Eugedain(ユージダイン)」という酸化亜鉛ユージノールセメントです。

 

右下の紙練板(かみれんばん)と、銀色の「スパチュラ」を使って、酸化亜鉛ユージノールセメントを練和(れんわ)します。 

2

 練和開始!

4

想像していたよりも、沢山の粉末を練りこむので、最後は力と気合が必要になりますが、何とか練り上げて、もちもちの丸い玉になりました。

5

 

下2つの「充填器」という器具を使って、模型の窩洞に練り上げたセメントを填入(てんにゅう)します。

3

コツをつかむまでは、ちょっと難しい操作です。

2

余った仮封材は、途中で綿花やガーゼで拭き取ります。

 

7

これからも基礎実習のご紹介を続けていきますね。