2013年8月 7日 (水)

夏の永平寺

永平寺へ参禅に行きました。
永平寺というと、越前の雪で真っ白な、冬のイメージがありましたが、夏は杉の緑が美しかったです。

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写真は昼間に撮ったものですが、特に印象的だったのは夜明け前です。
鐘の音とヒグラシの声が響き合い、山の緑がけむって青い空気を吸っているようでした。

永平寺の開山である道元禅師は、北条時頼に招かれ約半年のあいだ鎌倉に滞在し、帰山して「山を愛するの愛、初めより甚だし」という言葉を残しているそうです。

およそ750年前、道元禅師の目にはどのような山の姿が映っていたのでしょうか。

鶴見大学文学部日本文学科

2013年7月29日 (月)

をのが影追ふ

8月4日(日)はオープンキャンパスです。

模擬授業は、江戸時代中期の俳人で画家としても有名な、与謝蕪村の句と画についての話です。

ぜひ足をお運びください!

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水色の美しいオオシオカラトンボです。

蜻蛉(とんぼ)は夏にも多くみられますが、文学においては古来から秋の季題です。

涼しげな姿が爽やかな秋の季節によく合っているからでしょうか。

  行く水にをのが影追ふ蜻蛉(とんぼ)かな  千代女(『千代尼句集』)

この写真を撮ったときも、実際にはかなり暑かったのですが、トンボの姿は涼しそうでした。

千代女の句では「とんぼ」ですが、

  白壁に蜻蛉過(よ)ぎる日影かな  召波(『春泥句集』)

のように、「とんぼう」と四音で詠まれることも多くあります。

鶴見大学文学部日本文学科

2013年7月22日 (月)

土用の丑

昨日は多くの方々にオープンキャンパスにお越しいただき、どうもありがとうございました。

さて、今日は土用の丑の日です。

鰻を食べる日として知られていますが、土用とは何でしょうか。

中国古代には、宇宙は「木・火・土・金・水」という五気で満ちており、あらゆるものは五気のはたらきによって生じるとする、五行説が行われました。

五行説では、季節、方角、色、人の道徳など、あらゆる事柄が木・火・土・金・水のいずれかに当てられ、季節の場合、「木」は春、「火」は夏、「金」は秋、「水」は冬に割り当てられます。

これでは「土」がありません。

そこで、それぞれの季節の終わり五分の一の日数にあたる18日分を削って、それを集めて「土」としました。

土用の丑の日とは、特に夏の土用の間にやってくる丑の日のことです。

丑の日は12日のサイクルでまわってきますので、18日の間に二回丑の日がくる年もあります。

今年がそうした年で、8月3日が「二の丑」となります。

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丑の日に鰻を食べる習慣は、江戸時代の平賀源内や大田南畝の発案という説もありますがよくわかりません。

十分栄養をとって暑さに負けず、よい夏休みをお過ごしください。

鶴見大学文学部日本文学科

2013年7月17日 (水)

道のべの木槿

7月21日(日)はオープンキャンパスです。

模擬授業では、新沢典子先生による古代神話についての楽しい講義がきけます。

受験生のみなさま、ぜひいらしてください!お待ちしています。

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早くも梅雨明けし、本格的な夏がやってきました。

上の写真は、公園で見かけた八重咲きの木槿(むくげ)です。

木槿は夏から秋にかけて咲きますが、俳諧では秋の季語です。

芭蕉が野ざらし紀行の旅で詠んだ「道のべの木槿は馬に食はれけり」も秋の句です。

和歌や連歌では木槿はあまり詠まれません。

「槿花一日の栄」の言葉があるように、朝に咲き夕べにはしぼむ花としてはかないイメージのある木槿ですが、江戸時代には盛んに栽培され、白・赤・紫、一重・八重など、多様な品種が生み出されました。

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『丹青弌斑』という本の中の木槿の図。

こちらは白い花弁で奥が赤い、一重の木槿です。

鶴見大学文学部日本文学科

2013年7月 4日 (木)

修士論文中間発表会【お知らせ】

恒例の催しのご案内です。

毎年、前期定期試験時に行っております。

今年は、7月31日(水)午後2時より、1号館406番教室が会場です。

大学院生の晴れ姿、もしくは苦闘の様子をご覧になりたい方は、どうぞ。

勿論、入場無料・予約不要です。

さて、紫陽花も盛りを過ぎようとしています。

瀬戸の徳利に生けてみました。

地味、と言うより滋味あふれる器です。

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平凡のようでいて、なかなかの個性。

学問も、似たようなものではないでしょうか。

奇をてらわず、愚直に地道に。

そうすると、だんだん底光りするようになり、誰にも真似の出来ない研究が。

(となれば、上々ですけれど・・・)

鶴見大学文学部日本文学科

 

2013年6月22日 (土)

久方ぶりの、「お気に入り」【研究室から】

今日は、梅雨の晴れ間。

風格ある文房具を取り出してみました。

清朝乾隆(1736~1795)ころの文人、孫阜昌が愛玩した古硯です。

(伝来その他、詳しいことは今回省略)

細部がうまく撮影できず、すみません。

実物は、なめらかで深みのある硯面が油煙墨にふさわしい。

悪筆のも、ちょっと何か書いてみたくなります。

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先日、貞政少登先生にお見せしたところ・・・

じっくり作行きを検分、「水を持て参れ」との仰せ。

硯面に数滴垂らし、鋒芒を指で確かめられ、一言「明初」。

恐ろしい眼力に感心しました。

皆様それぞれの「お気に入り」で、机辺を飾られてはいかが。

研究が画期的に進む、ことはないにせよ、気分がよくなることは請け合います。

鶴見大学文学部日本文学科

2013年6月11日 (火)

はじまりの形【高校生・受験生のみなさんへ】

傘が手放せない季節となりました。

雨の日は、ゆっくり本と向き合うのにふさわしい。

さて、よくご存じの小説や詩がどのような形で生まれてきたか、ご存じでしょうか。

絢爛豪華な装丁・個性横溢の筆跡・時の流れを感じさせる原稿用紙・・・

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北原白秋『邪宗門』初版本、の複製です。

6月23日(日)オープンキャンパスでは、近代文学のお話と小さな展示を予定。

別会場で、著名作家の原稿や手紙も大公開します。

(6/18~7/11、図書館エントランスホール)

では、雨ニモ負ケズ、もうひとがんばり。

鶴見大学文学部日本文学科

2013年6月 4日 (火)

日本文学会春季大会【お知らせ】

諸般の事情により少々遅れておりますが、春季大会を以下のように開催します。

日時 平成25年6月29日(土) 午後2時開会

会場 鶴見大学記念館第1講堂(2階)

講演 片山 倫太郎(本学教授)

    鶴見大学図書館所蔵 川端康成・未発表作「勤王の神」

    田中 智幸(本学教授)

    荘子の世界

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図書館エントランスホールにて、川端康成はじめとする自筆資料を展示します。

芥川龍之介・菊池寛・谷崎潤一郎・三島由紀夫など、著名な小説家の筆跡を公開!

入場無料/予約不要です。

春季大会・展示とも来場大歓迎。

一般の方・高校生のみなさん、どうぞお越しください。

鶴見大学文学部日本文学科

2013年5月24日 (金)

柿若葉【高校生・受験生のみなさんへ】

ケヤキや銀杏の緑、月並みですが「滴るばかり」と形容したくなる美しさ。

ご存じでしょうか、柿もまた見事です。

柔らかく大ぶりの葉が陽の光を透かし風に揺れる風情は、なんと言ったものか。

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勉強も快調に進むさわやかな季節です。

明後日(26日)は、オープンキャンパス

緑の丘の上でお待ちしております。

鶴見大学文学部日本文学科

2013年5月16日 (木)

学習アドバイザーのご案内【在学生のみなさんへ】

日ごとに緑が深くなります。

卒業論文の題目をどうするか・日々の課題・授業でよく理解できないこと・気になる本・レポートのまとめ方・・・

小さな疑問も放っておくと手に負えなくなります。

教員への質問は勿論大歓迎ですが、学習アドバイザーに相談してみては。

みなさんの先輩が親身に助言してくれるはずです。

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染付に2色の餅をあしらいました。

皿は、伊万里ではなく波佐見(長崎県)焼です。

当代屈指の歴史学者黒板伸夫先生は、ご先祖をたどると波佐見皿山奉行。

(奥様は、これまた高名な歴史小説家永井路子先生)

と言うことを、教えてもらえるかもしれません。

今年は大学院生の山崎兼人君が担当します。

毎週木曜、午後3時から7時まで。

図書館メインカウンター脇へ、どうぞ。

鶴見大学文学部日本文学科