冬の月【研究室から】
新年のご挨拶が遅れました。
今後ともご贔屓に。
さて、昨晩は旧暦の12月15日でした。
冴え冴えとした月が夜空高くかかっているのは、冬の見物です。
冬の月については、源氏物語朝顔巻に有名なくだりがあります。
「人の心をうつすめる花紅葉よりも、
冬の夜の澄める月に雪の光あひたる空こそ、
あやしう色なきものの身にしみて」
古い注釈によれば、枕草子に「すさましきもの、しはすの月夜」とあったとか。
現在、枕草子のどの本にも、この表現が見当たりません。
二中歴には「冷物 十二月月夜」と出ていて、これが該当しそうです。
ともあれ、朝顔巻の文章を絵画化したのが、こちら。源氏小鏡の明暦版から採りました。
(この絵、慶安跋の絵入源氏物語とよく似ています)
では、暖かくしてお過ごしください。
鶴見大学文学部日本文学科研究室