【研究室から】

2018年2月12日 (月)

紅白【研究室から】

春は名のみの、この頃。

とは言え、日差しは強く明るくなっています。

その陽光に誘われて、天神様に参詣しました。

まだ花には早いか、と思いましたら、祠の前に紅梅と白梅。

お社の小ささが、絶妙。Photo 「白妙ににほふもあかぬ梅の花くれなゐふかき色さへぞみる」

紅白の梅を1首のうちに詠んだ歌は存外少ないようです。

元真集より採りました。

(和歌研究の大家で植物にもお詳しいK博士にお尋ねしてみたいところ)

さて、成績発表の日が近づきました。

予想以上の出来映えならば、勿論おめでたい。

不本意な結果であれば、心機一転。

これから、です。

ちなみに天神様のご縁日は25日。

散策のついでに、お参りしてみてはいかが。

鶴見大学文学部日本文学科

2018年2月 1日 (木)

古典籍との出会い【研究室から】

昨日より、図書館の貴重書展が始まりました。

「源氏物語の小道具」が主題です。

解題も(一応)出来ておりますので、御覧願います。

ご意見・お尋ねなど、お気軽に。

こんな具合に並んでおります。Photo 折々解題担当者が会場をうろうろしますので、ご質問をどうぞ。

初公開の資料や当代屈指の碩学より寄贈された書物など、それぞれに個性的。

時を超える古典籍の魅力を、お楽しみください。Photo_2 愛らしい小品もお待ちしております。

なお、卒業論文を対象とする日本文学会賞が今年も授与されます。

ご質問があれば、各ゼミの担当教員にお尋ねください。

鶴見大学文学部日本文学科研究室

2018年1月17日 (水)

水辺探訪【研究室から】

この寒いのに、と仰る方もあるでしょう。

松林伯円ゆかりの池を探す話の続きです。

山門脇、谷のなごりと思われるところに池があります。

3つの池のうち、中ノ池のゆかりでしょうか。

冬空を映す水面に、石灯籠の影が揺れておりました。

Photo もう一箇所、大学構内に湧き水があるようです。

実地踏査してご報告します。

さて、定期試験が迫っています。

だからこそしっかりと基礎資料を読むこと。

時節柄、体調管理には十分配慮してください。

受験生のみなさんも、健康第一!

鶴見大学文学部日本文学科研究室

2017年12月29日 (金)

師走の月【研究室から】

大学はお休みに入りました。

通年30週の授業を確保せねばならず、休暇の短縮は必至です。

そして仕事の遅い担当者は、今日もあの本を開きこの資料を探し・・・

研究室からご本山の境内に出ると、月が宵の空高くかかっておりました。

Cimg7924_3 『源氏物語』朝顔の巻には、冬の月のおもむき深さが語られています。

そして批判の対象となったのが、師走の月を興ざめとする意見でした。

清少納言がそう言ったと古い註に書かれていますけれど、

現存『枕草子』諸本には見えません。

なお、『二中歴』には「十二月月夜」(第十三、十列歴)があります。

『枕草子』の物づくしと李義山の雑纂との類似は、よく言われるところ。

その指摘は、中村蘭林『講習余筆』が早いのでは、と思っています。

こんなことも研究の種。

では、よいお年をお迎えください。

鶴見大学文学部日本文学科研究室

2017年12月19日 (火)

冬の夜に思うこと【研究室から】

半ば個人的なお話です。

秋山虔先生がなくなられて、2年たちました。

(つまり3回忌)

恩師から教わったこと、叱られたこと、冬の夜長に思い出します。

鶴見の催しによくいらっしゃって、貴重書を熱心に眺めておいででした。

最後に来てくださった時には、御年90歳。

お土産に甘納豆をさしあげました。

召し上がってくださったかと存じます。

根来の塗皿に盛れば、こんな具合です。Photo 根来は室町時代の作、伝世のいい味わいを持っています。

(甘納豆は室町時代ではありませんのでご安心ください)

これから定期試験・卒業論文口頭試問と続きます。

笑顔の春を迎えられるよう、精進願います。

さて、お茶でも淹れましょうか。

我が師の恩を偲びつつ。

(不謹慎にも「和菓子の恩」と駄洒落なんぞを繰り出しながら)

鶴見大学文学部日本文学科研究室

2017年12月 6日 (水)

ご報告【研究室から】

先日の日本文学会では、松林伯円の旧居が大きな話題。

ご本山近くの池のほとりに、伯円は晩年を送りました。

灌漑用の池は三つあり、下ノ池がゆかりの場所です。

残念ながら、現在三つとも埋め立てられています。

おそらく伯円も杖を曳いたであろう上ノ池跡へ、本日出かけてみました。

駐車場となっていますが、岸の面影はなんとか感じ取れます。

そして、池の跡のほぼ中央に、龍神様のブロンズ小像が!

Photo 豊かに水を湛えていた頃、岸辺には龍神の祠があったのでしょう。

池畔に憩う伯円老人、静かに色づく雑木林。

百年の昔を思い浮かべてみてください。

中ノ池についても、何か分かりましたらご報告します。

鶴見大学文学部日本文学科

2017年11月26日 (日)

芸の力、学の楽しさ【研究室から】

土曜日(25日)の日本文学会は、近年稀なる盛り上がりでした。

旭堂南海先生の新作講談がすばらしく、名調子に茫然。

泣かせどころあり、笑いあり、次の展開に繋げて見事な切り上げでした。

次の鼎談も、江戸・上方から中国宋代に話題が広がり、知的興奮の渦。

話題の一つは、明治講談界の雄、松林伯円についてです。

終焉の地が大学構内にあることは分かっていました。

しかし旧居の細部まで判明することが発表されたのです。

ご来場くださった一般の方々、

はるばる箱根の山を越えて来られた研究者の皆さん、

新資料を教えていただいた斉藤様、

そして南海先生と延広先生に、厚く御礼申し上げます。

さて、卒業論文も終盤。

もし困ったことがあれば、その時こそ研究室を尋ねること。

閉じこもっても問題は解決されないでしょう。

と思いつつ晩秋の散策、お社の銀杏が黄金の枝を広げています。

Photo 近くに新田開発の碑がありました。

十五代将軍徳川慶喜公の揮毫です。

「源慶喜」の署名が読めますでしょうか。

Photo_2 少し遠出すれば、徳川家のご先祖有親・親氏ゆかりの古刹に辿り着きます。

読書の合間に、歴史探訪はいかが。

では、健康第一、お風邪などめしませぬように。

鶴見大学文学部日本文学科

2017年11月18日 (土)

友(下)【研究室から】

友は大学に進み、魚の研究を始める。

望んだ道であったはずだが、研究を止め食品会社に入る。

曲折の後、斬新な事業を起こした。

年商100億だか1000億だかの会社を率いているとは、風の便り。

勿論100億と1000億とでは、雲壌の差がある。

しかし、僕には共に現実味のない数字ゆえ、いずれでもかまわない。

彼は、伊勢海老や鯛ではないものを着実に育てていた。

交際範囲がとてつもなく広がったはずだから、

同級の国文学者なんぞ、とうの昔に忘れてしまったろう。

でも僕は折々、闊達な笑顔を思い出す。

彼の名は、遠藤結城と言った。Photo_2ある日、新聞を見て驚く。君の訃報。

独逸車の事故により、亡くなった。

社長室は倉庫のように飾り気なく、水槽がひとつ置いてあったらしい。

釣った魚を飼うためである。

君の夢は、今、どこにあるのか。

築かれた巨富の上か。ふるさとの川辺か。

そのどちらでもよいが、遠藤君、忘れてもらっては困る。

君は約束を果たしていないのだよ。

伊勢海老にせよ鯛にせよ、1尾もおごってくれてはいない。

いずれ僕も、そちら側へ行くだろう。

その時、精進物は嫌だ。

             ・・・・・

さて、日本文学会の催しは来週土曜(25日)です。

南海先生の講談と碩学を交えての鼎談、贅沢な催しです。

(これは自画自賛)

入場無料・予約不要、午後1時より入場可能。

会場内は飲食禁止となっておりますので、ご注意ください。

午後5時全プログラム終了予定、休憩時間を設けます。

ご都合により途中退席されても結構です。

お誘い合わせてどうぞ。

鶴見大学文学部日本文学科

2017年11月 8日 (水)

友(上)【研究室から】

落ち葉舞うこの頃、いかがおすごしでしょうか。

特別講談会が近づきました。

講談・鼎談の豪華二本立て。予約不要・入場無料です。

ご来駕をお待ちしております。

さて、馴染みの和菓子屋さんが、迫力満点の鯛を作ってくれました。

厚さ2センチ、焼き色良く、逞しく、どこかとぼけた顔つきです。

Photo_3 鯛につき、担当者には忘れがたいことがあります。

以下、風景のところどころがぼやけてしまうほど昔の話。

                 ・・・・・

釣りを楽しみとする同級生がいた。

暇を見つけては、川辺に糸を垂れていた。

大学では、高級魚介類の養殖を研究すると言う。

今でこそ、海老も鮪も養殖は珍しくない。

半世紀前の、しかも高校生の考えだから、その発想はおそろしく進んでいる。

2つの大学で入試が取りやめとなり、かなりの混乱を生じた頃である。

僕は彼より一年早く大学生となった。

そして電車を待つ秋のホーム、予備校生の彼と偶然出会う。

屈託のない笑顔で「金のない人も伊勢海老や鯛を食べてほしい」と語った。

高級食材にて一儲け、ではない。

ここから必然的に導出されるのは、彼の家が裕福ではなかった、と言うこと。

こちらも裕福の対極、より一層貧しかった。

でも、しん生ではないのだから、びんぼう自慢はしないほうがよい。

「お前にも腹一杯食わせてやるからな」「是非頼む」。

薄暮の会話で覚えているのは、これだけである。

続きは次回。

鶴見大学文学部日本文学科

2017年10月18日 (水)

季節感【研究室から】

このページを見てくださる学外の方からご意見。

骨董と和菓子が面白い、とのことでした。

調子に乗って、両方お目にかけます。

季節の味、素朴な舌触りはお茶にぴったり。

芋羊羹も羊羹の仲間、漱石先生の趣味に合わせて青磁の皿を使いました。

Cimg7880 内側に蓮弁の型押し、外側は堆花文。

高麗青磁、魅力いっぱいの器です。

さて、「源氏物語の小さな講座」へのご応募、ありがたく存じます。

聴講ご希望の方にご案内を発送しました。お待ちしております。

秋冷の候、風邪など召しませぬように。

学生さんも、受験生の皆さんも、健康第一。

また、大学祭が近づいております。

これも季節の風物詩です

そこでお目にかかれるかもしれません。

鶴見大学文学部日本文学科