【研究室から】

2018年6月 6日 (水)

梅雨入り【研究室から】

傘の手放せない季節となりました。

今日も、鬱々とした重い空が広がっています。

とは言え、雨後の緑には捨てがたい魅力があります。

季節に相応しい和菓子も。

かなり迫真的な梅の実です。

赤織部の小皿と共に見参見参。

Photo_2 薄紅の暈かしがなかなか巧妙です。

(撮影技術未熟、作ってくださった職人さんに申し訳なし)

つい、だらけてしまいがちなこの頃、少しだけ気を引き締めて。

では、また。

青梅に眉あつめたる美人かな(蕪村)

鶴見大学文学部日本文学科研究室

2018年5月18日 (金)

芍薬【研究室から】

牡丹の豪奢も賞すべきこと勿論、しかしより清楚な芍薬が担当者の好みです。

(しっかりシャクヤクと呼んでください)

さて、古今集に芍薬の花があるのをご存じですか。

探したけれど見つからない、と怒ってはいけません。

「難波津にしゃくやくの花冬ごもり今は春べとしゃくやくの花」!

江戸時代の小話に出てきます。

遡ると、室町時代まで「しゃくやくの花」の洒落がたどれます。

調べてみてはいかが。

文学史のレポートくらいにはなるでしょう。

Photo 芍薬と牡丹とは、所属の科が違っています。

ご存じでしたか。

立てば芍薬座れば牡丹、の俗謡もあります。

花の楽しみは尽きません。

では、27日のオープンキャンパスで会いましょう。

研究室脇にアジサイが咲いています。

鶴見大学文学部日本文学科研究室

2018年4月19日 (木)

段階的進行【研究室から】

桜の次が藤、その次は新緑と、とどこおりなく季節は進んでおります。

みなさんの勉強(研究)は、いかが。

ちょうどこの時期にふさわしいくだりをご紹介します。

『枕草子』の「木は」。

Photo_2 右から5行目以下、読めますでしょうか。

「花の木/どもちりはてゝをしなべたるみどりに

 /なりける中に時もわかずこきもみぢ」

(/は改行、濁点を付けました)

古い本はこんな顔をしている、と分かれば1年生。

なんとか字が読めれば2年生、中味を少しずつ調べると3年生。

4年生以上は、本文系統の判断もする。

では、専門家(教員)なら。

いろいろ出来なければと思いますが、まず書写年代の見当を付けられること。

さあ、がんばりましよう。学問は楽しいものです。

ついでに申しますと、この本、小津桂窓の旧蔵。

桂窓は本居春庭(宣長の息)に学び、馬琴とも交流がありました。

鶴見大学文学部日本文学科研究室

2018年4月 4日 (水)

春の小説【研究室から】

いろいろ思い浮かぶところですが、お薦めは『草枕』。

奇想と名文、漱石の魅力あふれる作品です。

羊羹を讃えるくだりは、よく知られています。

(他に、駄菓子も登場)

ただし、青く練り上げられた羊羹、と言うところがわかりにくい。

いったい何を使った羊羹なのでしょう。

青磁の皿に盛るのも、取り合わせとしては付きすぎていませんか。

そこで青磁を避け、別の器に乗せてみます。

黄瀬戸か唐津か京焼か、悩んだあげく古伊万里の鉢を選びました。

Photo 撮影後、抹茶を一服。

抹茶羊羹と付きすぎているところは、ご勘弁願います。

さて、新学期が始まります。

どんなことでもよろしいですから、なにか楽しみを見つけてください。

授業・課外活動・図書館・友人との会話、学食であっても大いに結構。

教員にあれこれ質問してみるのも、楽しいかと。

鶴見大学文学部日本文学科研究室

2018年3月21日 (水)

花と吹雪【研究室から】

「花吹雪」ではありません。

咲き始めた桜に雪が舞う春分の日。

朝の雨が雪に変わり風も相当強く吹いたお昼過ぎ、研究棟4階へ。

窓の外はこんな具合です。

Photo ハナ二アラシノタトヘモアルゾ

「サヨナラ」ダケガ人生ダ

よく知られた井伏鱒二の名訳、原詩は于武陵の「勧酒」です。

(原詩と訳詩の全体は、ご自分でお調べください)

もっとも、井伏は深刻な内容を軽く表現する練達の文章家。

気安く「サヨナラ」ダケガ人生ダなどど口まねしてはいけません。

別れも、そして出会いも、それぞれに大切なものですから。

と、節目の季節に思います。

鶴見大学文学部日本文学科研究室

2018年3月 4日 (日)

ところかわれば【研究室から】

卒業式が近づきました。

桜の待ち遠しいこのごろです。

(担当者は、その前にカタクリ探訪の予定)

さて、この季節の味は桜餅と草餅。

名工加藤春岱の織部皿と取り合わせてお目にかけます。Photo 御覧のように、道明寺を使っています。

これは西の方の作り方、関東ではクレープ式が主流です。

くず餅も、西と東では大きく異なります。

土地それぞれの作り方や素材を楽しめるのが和菓子の魅力でしょう。

では、皆様の春休みが充実した日々でありますように。

鶴見大学文学部日本文学科研究室

2018年2月12日 (月)

紅白【研究室から】

春は名のみの、この頃。

とは言え、日差しは強く明るくなっています。

その陽光に誘われて、天神様に参詣しました。

まだ花には早いか、と思いましたら、祠の前に紅梅と白梅。

お社の小ささが、絶妙。Photo 「白妙ににほふもあかぬ梅の花くれなゐふかき色さへぞみる」

紅白の梅を1首のうちに詠んだ歌は存外少ないようです。

元真集より採りました。

(和歌研究の大家で植物にもお詳しいK博士にお尋ねしてみたいところ)

さて、成績発表の日が近づきました。

予想以上の出来映えならば、勿論おめでたい。

不本意な結果であれば、心機一転。

これから、です。

ちなみに天神様のご縁日は25日。

散策のついでに、お参りしてみてはいかが。

鶴見大学文学部日本文学科

2018年2月 1日 (木)

古典籍との出会い【研究室から】

昨日より、図書館の貴重書展が始まりました。

「源氏物語の小道具」が主題です。

解題も(一応)出来ておりますので、御覧願います。

ご意見・お尋ねなど、お気軽に。

こんな具合に並んでおります。Photo 折々解題担当者が会場をうろうろしますので、ご質問をどうぞ。

初公開の資料や当代屈指の碩学より寄贈された書物など、それぞれに個性的。

時を超える古典籍の魅力を、お楽しみください。Photo_2 愛らしい小品もお待ちしております。

なお、卒業論文を対象とする日本文学会賞が今年も授与されます。

ご質問があれば、各ゼミの担当教員にお尋ねください。

鶴見大学文学部日本文学科研究室

2018年1月17日 (水)

水辺探訪【研究室から】

この寒いのに、と仰る方もあるでしょう。

松林伯円ゆかりの池を探す話の続きです。

山門脇、谷のなごりと思われるところに池があります。

3つの池のうち、中ノ池のゆかりでしょうか。

冬空を映す水面に、石灯籠の影が揺れておりました。

Photo もう一箇所、大学構内に湧き水があるようです。

実地踏査してご報告します。

さて、定期試験が迫っています。

だからこそしっかりと基礎資料を読むこと。

時節柄、体調管理には十分配慮してください。

受験生のみなさんも、健康第一!

鶴見大学文学部日本文学科研究室

2017年12月29日 (金)

師走の月【研究室から】

大学はお休みに入りました。

通年30週の授業を確保せねばならず、休暇の短縮は必至です。

そして仕事の遅い担当者は、今日もあの本を開きこの資料を探し・・・

研究室からご本山の境内に出ると、月が宵の空高くかかっておりました。

Cimg7924_3 『源氏物語』朝顔の巻には、冬の月のおもむき深さが語られています。

そして批判の対象となったのが、師走の月を興ざめとする意見でした。

清少納言がそう言ったと古い註に書かれていますけれど、

現存『枕草子』諸本には見えません。

なお、『二中歴』には「十二月月夜」(第十三、十列歴)があります。

『枕草子』の物づくしと李義山の雑纂との類似は、よく言われるところ。

その指摘は、中村蘭林『講習余筆』が早いのでは、と思っています。

こんなことも研究の種。

では、よいお年をお迎えください。

鶴見大学文学部日本文学科研究室