2013年5月 6日 (月)

赤煉瓦の橋【研究室から】

上々の晴天に誘われ、自転車で郊外の丘陵地へ。

緑の中に美しいアーチが見えます。

大正2年(1913)に竣工ですので、100歳の現役!

驚くばかりの堅固さと秀麗な魅力は、次の世紀にも健在でしょう。

現代風の橋の方が、早く風化し撤去されるのでは。

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もともと四谷見附にあったものを、平成3年(1991)に移築しました。

実際に橋として十分機能し、表情豊かな風景を創出する建造物です。

これほどの作品を作り上げた先人の努力と才能に脱帽。

翻って私たち自身はどうでしょう。

未来の人々に感心してもらえるものを、どれほど残せますか。

身の回りにある道具も建物も、文学も学問も。

鶴見大学文学部日本文学科

2013年4月25日 (木)

困ったら、図書館へ【お知らせ】

そろそろ連休、今年の滑り出しはいかがでしたか。

不思議な専門用語、どの本で調べたらよいのか、辞書の引き方・・・

困ったら、まず図書館へ。

気軽に学習アドバイザーをたずねてみましょう。

みなさんの先輩が懇切丁寧に教えてくれる、はずです。

さて、野山は桜から藤。

百数十年前、素人画家の白藤をお目に掛けます。

専門家ではないものの、なかなかに好もしい趣味かと。

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これから一泊参禅・卒業論文題目調査・日本文学会春季大会と諸行事が続きます。

掲示や案内を見落とさないように。

鶴見大学文学部日本文学科


2013年4月15日 (月)

風、薫る【在学生のみなさんへ】

「甍の波と雲の波」の季節が近づきました。

唱歌を耳にする機会が減りましたので、なんのことやら、と思われる方もいらっしゃるのでは。

唱歌は、文語文の入門としても、古典文法の基礎作りにも、とても有効なものです。

傍迷惑とならない程度に、歌ってみてはいかがでしょう。

ここで、季節をちょっと先取りして柏餅。

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古伊万里唐草の6寸皿と取り合わせました。

文様を拡大しますと・・・

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少しぼやけて見えるのは、釉薬の下に絵が描かれているため。

涼しげで上品、使いやすい器です。

薫風に向かって、気持ちのよいスタートを切ってください。

時間と知的好奇心がある方は、研究室へどうぞ。

鶴見大学文学部日本文学科

2013年4月 6日 (土)

春の日【高校生・受験生のみなさんへ】

花吹雪のあとに、新緑とさわやかな風の季節が続きます。

(桜吹雪は、別の話)

多少手荒な空模様の日もあるでしょうが、快適に新学期を乗り切ってください。

さて、桜が美しくあればあるほど、散るを惜しむのは、世のならい。

平安時代の有名な歌をひとつ。

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中央に「紀のとも則」、その左に「ひさかたの/ひかりのどけき」と続きます。

『百人一首』でおなじみの紀友則の歌。

それほど悩まなくても、と言いたくなるほどの顔つきではありませんか。

こんな文字をすらすら読めるようになりたい、と思うあなたにぴったりの学科です。

本物の古典資料を使ってお教えします。

5月26日(日)、風薫るオープンキャンパスへ、どうぞ。

鶴見大学文学部日本文学科

2013年3月26日 (火)

花の季節【在学生のみなさんへ】

桜の話は世の中にあふれていますので、趣向を変えてカタクリ。

(桜が嫌い、と言うわけではありません)

研究室の近くに、ことしも咲きました。

万葉の昔には「かたかご(堅香子)」。

ひととき華麗な花を凜と咲かせ、すぐに葉も花も姿を消します。

地面の下でじっと力を蓄え、翌春を待つ植物です。

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今年不本意な成績で終わった人、困ることが多かった人、あきらめずもう一歩。

得意の人も、怠りなく(「得意」は「失意」の反意語です、念のため)。

Dum spiro,spero.

(息をしているかぎりは、望みを持つ)

鶴見大学文学部日本文学科

2013年3月15日 (金)

春の旅立ち【研究室から】

ご卒業おめでとうございます。

「もう、勉強しなくてもいい!」と思ってはいませんか。

これからが大変なのですよ、決してやさしく教えてはもらえませんし。

厳しい現実にぶつかった時、鶴見の教員(多分そのほとんど)は慈愛と寛容と思いやりに満ちていた、と実感するでしょう(自画自賛)。

なつかしくなったら研究室へ、どうぞ。

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郊外で見かけた、天神様の祠。

小さくとも、紅梅白梅に囲まれた学問の神様は、実に豊かな風情をお持ちです。

みなさん、陽気の具合または出来心で勉強したくなることもあるでしょう。

今度は大学院にてお待ちいたしております。

鶴見大学文学部日本文学科

2013年3月 7日 (木)

日本文学会賞の春【お知らせ】

穏やかな日差しです。

ことしの日本文学会賞受賞者が決まりました。

会報と学報にお名前を紹介し、みなさんの研鑽と努力を讃えます。

新4年生の方々も、高水準の卒業論文をめざしてください。

さて、いよいよ春爛漫。

江戸末期の洛西、「花の寺」の絵をご紹介します。

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鐘楼の前にしだれ桜が咲いています。

図版の都合で花が橙色になってしまい、申し訳ありません。

俗塵を洗い流したようなのどかさは、十分感じていただけるでしょう。

では、みなさんの未来が夢と幸いにあふれていますことを。

鶴見大学文学部日本文学科

2013年2月25日 (月)

春を待ちながら【高校生・受験生のみなさんへ】

立春過ぎても、なかなか暖かくなりません。

日差しはさすがに、穏やかさを増しています。

寒さよりもっと厳しい時の流れから、書物を護り続ける施設。

数百年の努力が、大切な古典籍を現在に伝えてくれました。

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木立の奥、白壁の塀のさらに向こう側で、書物は静かに眠っています。

さて、3月24日(日)は今年最初のオープンキャンパス

川端康成の未発表原稿で話題の片山倫太郎教授がミニ講義担当です。

どうぞ、緑のキャンパスへ。

鶴見大学文学部日本文学科

2013年2月13日 (水)

もとの持ち主【研究室から】

と言っても、落とし物のことではありません。

手元に、本居宣長の優れた注釈書『古今集遠鏡』薄様刷り特製本があります。

薄様なので、通常6冊か4冊仕立てのところ、2冊で済みます。

問題は、その巻首に見える蔵書印。

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「新渡戸/図書」つまり新渡戸稲造(1862~1933)が持っていたものです。

前の5000円札でお馴染みでしょう。

外国語に堪能な国際人も、日本の古典をちゃんと読んでいた、と言うこと。

文学部の皆さんなら、当然・・・であってほしいと思います。

鶴見大学文学部日本文学科

2013年2月 4日 (月)

春浅きころ【在学生のみなさんへ】

今日は立春、定期試験も一段落というところでしょう。

卒業後に思いをはせる人、これからの勉強を考える人

新しい出発までの時間はとても大切です。

みのりある日々を積み上げてください。

冬の間しっかりと力を蓄えた生命が、開花する季節です。

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先日、まだ雪の残る山里で見かけた紅梅。

青空に映え、凛と咲いていました。

鶴見大学文学部日本文学科