と言っても、梅干しに使った紫蘇の加工品ではありません。
一昔前、ある先生のお手伝いをしましたら、「お礼に」と、くださったものです。
作られてから、もう半世紀近くたつでしょうか。
よく使い込んだ、銀の英国製筆記具です。
柔らかい光沢と流麗な彫刻、そして品格の髙さ。
優れた研究者であるのみならず、文章のうまさは群を抜いていらっしゃいました。
鋭い観察眼、皮肉の効いた言い回し、柔軟な表現、どれをとっても一流です。
惜しくも、先年なくなられました。
「ゆかり」のペンとシャープペンシルで先生の名文にあやかりたいと思うこと、切。
(なお、シャープペンシルは和製英語、米国ではメカニカルペンシル。さて英国では?)
12月10日(土)、日本文学会秋季大会が催されました。
一般市民の皆様が多くいらっしゃったことは、驚きです。
後藤祥子先生のご講演は、犀利かつ自在。
和泉式部は1000年の後の知音に感謝しているでしょう。
岩佐美代子先生のご挨拶も、単なる挨拶の域を越える卓説のご披露でした。
また、その後の懇親会は楽しいお話の花盛りです。
学生・院生に卒業生、専任教員と他大学の研究者で賑わいました。
会が終われば、冬空に月食。
(古くは「ぐわつしよく」と読んでおります)
天体撮影の機材がありませんので、持ち合わせの道具を使いました。
不鮮明のところはご勘弁ください。
冴えた月食に出会うことは、稀かもしれません。
後藤・岩佐両先生のお話が一度に聞けたのは、もっと稀な、そして至福の機会です。