2011年10月24日 (月)

お気に入り【高校生・受験生のみなさんへ】

また、文房具登場。

字のうまい下手は問わず、硯や紙を揃えてみると、とても気分がよくなります。

これは李朝の染付水滴、ちょっと大柄で存在感たっぷり。

草花の素朴な絵が、とても好ましく思われます。

机辺の名脇役として人気の高い陶磁器です。

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10月29・30日は、紫雲祭

個別進学相談AO入試のエントリーも受け付けています。

機会があれば、文房具のお話でも。

2011年10月12日 (水)

みのりの秋【在学生のみなさんへ】

後期の授業は、ちゃんと理解出来ていますか。

わからないことは、尋ねてみるのが一番です。

わからないことは借金みたいなもので、増えると手に負えなくなります。

こちらはお教えするのが商売ですので、いかようにも対応可能。

質問大歓迎です。

とりあえず、休まないことを心がけて!

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四条派の名手、松村景文が稲穂と雀を描きました。

景文は、このホームページ二度目の登場です。

さすがに卓抜な描写力、しっかりとみのりの風景をとらえています。

みなさんも充実の秋をお迎えください。

2011年10月 4日 (火)

鶴見日本文学会賞その後【お知らせ】

神奈川県の中高教員採用試験に、本年は3名合格。

他の地域についてはまだ分かりませんが、とにかく快挙です。

3名の内2名は、昨年度の日本文学会賞を受賞しています。

悪戦苦闘中の4年生諸君、是非すばらしい卒業論文を書き上げてください。

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手持ちの万年筆に、豪華な蒔絵を施してもらいました。

お気に入りの文房具をととのえて、いざ!

3年生以下の皆さん、栄光はあなたがたのものです。

2011年9月28日 (水)

鷺と鵲【高校生・受験生のみなさんへ】

宇治の女君浮舟を薫大将が訪ねた場面、左の川岸をご覧あれ。

(図版が小さくてすみません。クリックすると大きくなります)

蛇篭の脇に白い鳥が立っています。たぶん鷺(さぎ)でしょう。

源氏物語の本文では「かささぎの姿も、所からはいとをかしうみゆるに」。

鵲(かささぎ)が鷺に化けてしまったようです。

「そりゃあ詐欺だ!」と、おっしゃてはいけません。

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こんな文字も、一年で読めるようになります(多分)。

AO2期入試エントリー面談が始まりました。

ご関心のある方は、是非どうぞ。

2011年9月19日 (月)

秋天【研究室から】

校務で、城下町に出かけました。

雲を浮かべた秋空に千鳥破風が映え、松林には秋の風。

梶井基次郎『城のある町にて』を思い出される方もあるでしょう。

(梶井の「城」は松阪城です)

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梶井の作品では、『檸檬』が有名です。お奨めは『闇の絵巻』。

古典研究に志す人は、近代文学をたくさん読んでおかれるのがよいでしょう。

古典を知らず新しい文学や言葉のみの研究を行うのも、感心しません。

ともあれ、何にでも挑戦!

2011年9月 6日 (火)

秋の花【高校生・受験生のみなさんへ】

さすがに、朝夕は涼しくなりました。

勉強や課外活動に集中できる季節です。

健康に留意しながら、もうひとがんばり。

ところで、秋に咲く黄色の花とはなんでしょう。

日本ではオミナエシ(歴史的仮名遣いは「をみなへし」)です。

中国ならば、菊。ところかわれば、の一例ですね。

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オミナエシにちなんだ和菓子と、150年ほど前の織部の皿。

秋は、お茶やお菓子のおいしい季節でもあります。

さて、9月25日(日)は、本年最後のオープンキャンパス

模擬授業では、秋の草木にちなむお話も、少しいたします。

どうぞ、お越しください。

2011年8月23日 (火)

技と力【在学生のみなさんへ】

なぜ古くさい和歌や物語を読むのか、面倒なのに。

勿論、おもしろいから、です。

(私は、古典の現代的意義なんぞ考えたこともありません)

現在なくなってしまったもの・異質なものこそおもしろい。

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写真、それとも3D映像? いえいえ明治35年(1902)の木版画です。

精緻・繊細・厳密、それでいて芸術的な高さ!

100年後の現在、この技と力はとても望めません。

古典文学にも同じようなことが言えます。

今とは異なる言葉の技術や作品創造の力に、まず驚いてみましょう。

2011年8月16日 (火)

読みの伝統【高校生・受験生のみなさんへ】

夏休みも後半、ちょっと涼しげなお菓子を、志野四方鉢にのせました。

青海苔や抹茶で風味付けした麩饅頭もあります。

でも、餡と生地と笹の香りで勝負する、単純なものがいいと思います。

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ちなみに、四方鉢の「四方」は、「よほう」と読みます。

東西南北の四つの方角ならば、「しほう」(シハウ)。

正方形の意味で使えば、「よほう」。

読み分けは、平安時代以来の伝統。こんなことも日本文学科で勉強します。

8月21日(日)、オープンキャンパスへ、どうぞ。

2011年8月 9日 (火)

目にはさやかに【研究室から】

昨日、立秋。

「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」(古今集)

(平凡な引用で恐縮です)

まだ一向におどろくほどの風も吹きません。当分暑い日が続きそうです。

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季節を先取りして野の風情をお目に掛けます。

四条派の画家松村景文の絵です。画中の秋をお楽しみください。

当方いろいろと雑用があり(少しは研究も)、結局ほぼ毎日大学へ来ています。

よって「夏休み」ではなく、単なる「夏」。

2011年7月29日 (金)

一段落【在学生のみなさんへ】

定期試験が終わり、ほっと一息、これから夏休みです。

(こちらは相変わらずの雑用と、後期授業の準備と、そして研究に追われています)

まとまった調べ物をしたり、長い小説を読んだり、旅行に出かけたり・・・

ともかくこの季節でないとできないことを、しっかりと。

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スイカのようにみえますが、大型のウリ(マクワウリ)でしょうか。

西本願寺本三十六人集の料紙を復元したものです。

スイカが日本にやってくるのは、南北朝の頃とか。

額田王や紫式部や源頼朝は、スイカを知らなかったのです!

季節の味も十分に堪能してください。