2012年4月14日 (土)

続々 お気に入り【高校生・受験生のみなさんへ】

「少し古風に」と言うことは、「少し格調高く」にも通じます。

花吹雪を見ながら、さわやかな色合いの文房具を出してみました。

中国は明末、300年以上昔の青花磁硯です。

(青花を、日本の伝統では染付と呼びます)

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貫禄十分の、机上の主役。ただし、書の腕前が追いつかず・・・

いい気分になれるだけでも効果あり、と言うところでしょうか。

5月20日(日)のオープンキャンパスは新緑の季節。

さわやかな風に吹かれて、鶴見へどうぞ。

2012年4月 4日 (水)

これはこれはとばかり【研究室から】

もちろん「花の吉野山」が続きます。

(詳しく知りたい人は、新任の牧先生にお聞きください)

図書館脇も、薄紅の雲。

ことしはまだ梅が楽しめますので、両手に花、とはこのことでしょうか。

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1世紀以上昔の吉野山です。

折り目が付いているほかは、極上の保存状態。

吉野で企画・刊行されたところが、珍しい。

春の研究棟へ、是非どうぞ。

このような桜の資料を前にしてお話しできる、かもしれません。

2012年3月21日 (水)

豊かさ、複雑さ【在学生のみなさんへ】

春らしい陽気は心浮き立つものですが、花粉のせいで、くしゃみや涙目。

世の中、単純ではありません。

暖かな日差しに誘われ、鼻水にもめげず、ちょっと遠出をしました。

そこで見かけたのが、「善寧児先生」を讃える碑。

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「善寧児」をすぐに「ジェンナー」と読めた人は、偉い。

勿論、天然痘予防に大功績のあった、イギリス人E.ジェンナーです。

種痘によって病を逃れた人々が建立しました。

すぐ近くに、天然理心流第2代近藤三助の碑もあります。

(天然理心流第4代は、言わずと知れた近藤勇!)

新撰組につながる剣客と英国の医者が、仲よく隣同士です。

歴史の多様性・豊穣さは、かくの如し。

図式や流行の言葉で割り切ることの浅はかさを、実感。

2012年3月12日 (月)

第2回鶴見日本文学会賞のこと【お知らせ】

去年にもまして応募数が多く、審査委員会にて慎重に検討をいたしました。

皆さんの熱意がそれぞれの論文から伝わってきます。

6名の方を受賞者といたしましたので、お名前・論文名は『学報』でご覧ください。

授賞式は、卒業式後に行います。

賞状と副賞(図書カード)、それにおまけが一つ付く予定です。

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郊外へ、梅探索。

曇り空のせいか、ひっそりとした山の斜面に紅梅と白梅が香っていました。

今年は、開花がちょっと遅いようです。

風は冷たくとも、巣立ってゆかれる方々に幸あれ。

2012年3月 1日 (木)

続 お気に入り【高校生・受験生のみなさんへ】

珍しい大雪でした。

お元気でしょうか。

寒いと部屋の中でくすぶることが多くなります。

そんなときに欠かせないのが、机辺の愛嬌者。

吹き出したくなるほどとぼけた獅子の水滴です。

鼻の穴から水を垂らすように出来ていて、花粉症ではないか、と思ったり。

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御深井の古いもの、江戸初期くらいではないでしょうか。

(「御深井」をすんなり「おふけ」と読めた方は、偉い)

古典文学の中にも、愛嬌と笑いの作品があります。

3月25日(日)、春の学校見学フェアでは、そんなお話もする予定です。

2012年2月14日 (火)

寒牡丹【在学生のみなさんへ】

みなさんは定期試験が終わり、成績発表を待つばかり。

こちらは、入試やら会議やらに忙殺されるこの頃です。

すこし時間を作って、東海の城下町に出かけました。

勿論、典籍調査のためです。

文庫の前に、寒牡丹が咲いていました。

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土壌管理・寒さよけの覆い・剪定など、丹誠のほどがしのばれます。

私たちの講義も、目に見えない所での準備がとても大切です。

学会発表の水準で授業を行い、わかりやすく伝えること。

訪書旅行は、花を咲かせるための下地造りのひとつです。

2012年2月 1日 (水)

ゆかり【研究室から】

と言っても、梅干しに使った紫蘇の加工品ではありません。

一昔前、ある先生のお手伝いをしましたら、「お礼に」と、くださったものです。

作られてから、もう半世紀近くたつでしょうか。

よく使い込んだ、銀の英国製筆記具です。

柔らかい光沢と流麗な彫刻、そして品格の髙さ。

優れた研究者であるのみならず、文章のうまさは群を抜いていらっしゃいました。

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鋭い観察眼、皮肉の効いた言い回し、柔軟な表現、どれをとっても一流です。

惜しくも、先年なくなられました。

「ゆかり」のペンとシャープペンシルで先生の名文にあやかりたいと思うこと、切。

(なお、シャープペンシルは和製英語、米国ではメカニカルペンシル。さて英国では?)

2012年1月16日 (月)

春を待つ【高校生・受験生のみなさんへ】

厳しい寒さ続き、お元気ですか。

里山を歩いてみました。

枯れ葉の道のあちこちに、春を待つ木々や小さな芽ぶきが見られます。

静かに、じっと力を蓄える姿。

けっして派手ではありませんが、底光りのする美しさではないでしょうか。

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体調に気をつけ、この季節を乗り切りましょう。

1月29日(日)には、奨学特待生選抜試験があります。

4年間授業料なしで勉強できる制度です。

挑戦してみてください。

2012年1月 5日 (木)

第2回鶴見日本文学会賞のエントリー【お知らせ】

あけましておめでとうございます。

さて、卒業論文の出来映えはいかがでしょう。

ご存じのように、優秀な論文を褒賞する制度があります。

口頭試問後、2月8日(水)がエントリーの締め切りです。

大学生活のすばらしい締めくくりとなることを、期待しております。

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2つの顔を持つ神、ヤヌス。

ひとつは過去を見つめ、もうひとつは未来を展望します。

新しい年がめぐってきました。

これまでの過ごし方とこれからの自分を考えるよい機会でしょう。

なお、ヤヌス神が英語Januaryの起源となったことは、言うまでもありません。

紀元前118年、共和制ロ-マの銀貨です。

2011年12月23日 (金)

ちょっと贅沢【高校生・受験生のみなさんへ】

寒い毎日が続きます。

健康管理は十分ですか。学問も体力第一!

それはそれとして、300年ほど前の書物を取り出してみました。

紫式部の曾祖父、藤原兼輔(かねすけ)の歌を集めたものです。

金銀装飾の、豪華な表紙。

見ているだけで、豊かな気分になります。

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読書の贅沢な楽しみ、といえるでしょう。

日本文学科では、このような書物を手に取ってみる授業があります。

では、よいお年をお迎えください。