春らしい陽気は心浮き立つものですが、花粉のせいで、くしゃみや涙目。
世の中、単純ではありません。
暖かな日差しに誘われ、鼻水にもめげず、ちょっと遠出をしました。
そこで見かけたのが、「善寧児先生」を讃える碑。
「善寧児」をすぐに「ジェンナー」と読めた人は、偉い。
勿論、天然痘予防に大功績のあった、イギリス人E.ジェンナーです。
種痘によって病を逃れた人々が建立しました。
すぐ近くに、天然理心流第2代近藤三助の碑もあります。
(天然理心流第4代は、言わずと知れた近藤勇!)
新撰組につながる剣客と英国の医者が、仲よく隣同士です。
歴史の多様性・豊穣さは、かくの如し。
図式や流行の言葉で割り切ることの浅はかさを、実感。
と言っても、梅干しに使った紫蘇の加工品ではありません。
一昔前、ある先生のお手伝いをしましたら、「お礼に」と、くださったものです。
作られてから、もう半世紀近くたつでしょうか。
よく使い込んだ、銀の英国製筆記具です。
柔らかい光沢と流麗な彫刻、そして品格の髙さ。
優れた研究者であるのみならず、文章のうまさは群を抜いていらっしゃいました。
鋭い観察眼、皮肉の効いた言い回し、柔軟な表現、どれをとっても一流です。
惜しくも、先年なくなられました。
「ゆかり」のペンとシャープペンシルで先生の名文にあやかりたいと思うこと、切。
(なお、シャープペンシルは和製英語、米国ではメカニカルペンシル。さて英国では?)