2012年6月12日 (火)

ベストセラー【高校生・受験生のみなさんへ】

古典から近現代までの日本文学の内、最も広く長く好まれた作品は?

それは多分、源氏物語でも夏目漱石でもなく、百人一首でしょう。

江戸時代の多種多様な出版、さまざまの写本・・・

近代に入ってからも、豪華な絵入り本が作られました。

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大正4年(1915)刊行の百人一首です。

厚手の和紙に、多色木版の絵。

図は、紫式部。「めぐりあひて」の歌が添えられています。

17日(日)のオープンキャンパスでは、百人一首も登場の予定!

2012年6月 6日 (水)

川端二本立て【お知らせ】

本年度の日本文学会春季大会は、以下の通り開催されます。

日時:平成24年7月14日(土)午後2時~

会場:鶴見大学5号館2階(5-201教室)

研究発表:佐久間 兼人(大学院博士前期課程)

       「眠れる美女」論ー第五夜の江口の行方ー

講演:   片山 倫太郎(本学教授)

       川端康成 官能の原点と再帰

お誘いあわせてお越しください。懇親会も予定しております。

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縁結びのお社で見かけました。

よーくご覧ください。向かって右側のイチョウが逃げています。

左側の木が追いかける形。

その2本を強引にしめ縄で結びつけて、なるほど「縁結び」。

相思相愛のみが「縁」なのではない、とは、深遠な!

川端康成から、妙なことを連想しました。

2012年5月24日 (木)

牧さん、受賞!【研究室から】

若手俳諧研究者に贈られる「柿衛賞」(かきもりしょう)、本年度は牧藍子講師に決定!

6月3日(日)に、受賞記念の講演会が伊丹市柿衛文庫で行われます。

国文学の分野では、権威ある賞のひとつです。

(岡田柿衛翁は、実業家・市長・研究者を兼ねた大文化人)

さわやかな季節に、気持ちのよいニュースです。

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こちらもさわやかな青白磁、元あたりでしょう。

蓮花文を陽刻した蓋のうえに、獅子の鈕。

(ひいき目では、南宋)

可愛い獅子を拡大すると、

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とろりとした釉薬の下に、なんとか眼や口が見えます。

しっぽが、これまた・・・

2012年5月14日 (月)

杜若のころ【高校生・受験生のみなさんへ】

さわやかな季節です。

水辺にも初夏の花、あやめや杜若が咲き始めます。

(杜若は燕子花とも書きます。読みはカキツバタ)

ちなみに、菖蒲とあやめ・カキツバタは、別の科。

古典文学では勿論『伊勢物語』の東下り、三河の八つ橋が有名です。

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『伊勢物語男百首』から、八つ橋の場面を採りました。

右側は「から衣/きつゝなれにし/つましあれば」です。

とても珍しい本、現存10部以内でしょうか。

こんな古い書籍も、5月20日(日)オープンキャンパスで見られます。

緑の鶴見へ。

2012年5月 6日 (日)

日本文学会のこと【お知らせ】

会場確保が難しかったり、講演者の都合が悪かったりで、春季大会は少し遅れます。

7月14日(土)午後の予定です。

細部が決まりましたらまたお知らせしますので、大いにご宣伝ください。

片山倫太郎教授の講演と、佐久間兼人君(大学院博士前期課程)の研究発表。

川端康成が題材の、師弟競演となるでしょう。

(そういえば、川端の小説『禽獣』に「女流舞踊家の競演」と言う用例がありました)

会員のご家族や友人も、どうぞ。

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雨があがって、昨日は上々の晴天。たっぷり潤った新緑を、大学脇で撮影しました。

梢の若葉が翻ると、風も輝いて見える季節です。

明日から、また研鑽の積み重ねが始まります。

2012年4月24日 (火)

ご相談に、どうぞ【在学生のみなさんへ】

今年も黄金週間が近づきました。

とても珍しい本のなかから、絵をひとつ。

端午の節句にちなみ、鎧武者と粽(ちまき)です。

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説明が付いています。

「よろゐ(鎧)をきた人が、ちまきをかわごと」

さて、この続きはなんでしょう。

気になったら、学習アドバイザーにお尋ねください。

わからないことはなんでも質問、これが勉強の早道。

日本文学科は木曜(15時~19時)、大学院生の山崎君が担当します。

見かけと大違い(?)、とてもやさしく親切です。

2012年4月14日 (土)

続々 お気に入り【高校生・受験生のみなさんへ】

「少し古風に」と言うことは、「少し格調高く」にも通じます。

花吹雪を見ながら、さわやかな色合いの文房具を出してみました。

中国は明末、300年以上昔の青花磁硯です。

(青花を、日本の伝統では染付と呼びます)

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貫禄十分の、机上の主役。ただし、書の腕前が追いつかず・・・

いい気分になれるだけでも効果あり、と言うところでしょうか。

5月20日(日)のオープンキャンパスは新緑の季節。

さわやかな風に吹かれて、鶴見へどうぞ。

2012年4月 4日 (水)

これはこれはとばかり【研究室から】

もちろん「花の吉野山」が続きます。

(詳しく知りたい人は、新任の牧先生にお聞きください)

図書館脇も、薄紅の雲。

ことしはまだ梅が楽しめますので、両手に花、とはこのことでしょうか。

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1世紀以上昔の吉野山です。

折り目が付いているほかは、極上の保存状態。

吉野で企画・刊行されたところが、珍しい。

春の研究棟へ、是非どうぞ。

このような桜の資料を前にしてお話しできる、かもしれません。

2012年3月21日 (水)

豊かさ、複雑さ【在学生のみなさんへ】

春らしい陽気は心浮き立つものですが、花粉のせいで、くしゃみや涙目。

世の中、単純ではありません。

暖かな日差しに誘われ、鼻水にもめげず、ちょっと遠出をしました。

そこで見かけたのが、「善寧児先生」を讃える碑。

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「善寧児」をすぐに「ジェンナー」と読めた人は、偉い。

勿論、天然痘予防に大功績のあった、イギリス人E.ジェンナーです。

種痘によって病を逃れた人々が建立しました。

すぐ近くに、天然理心流第2代近藤三助の碑もあります。

(天然理心流第4代は、言わずと知れた近藤勇!)

新撰組につながる剣客と英国の医者が、仲よく隣同士です。

歴史の多様性・豊穣さは、かくの如し。

図式や流行の言葉で割り切ることの浅はかさを、実感。

2012年3月12日 (月)

第2回鶴見日本文学会賞のこと【お知らせ】

去年にもまして応募数が多く、審査委員会にて慎重に検討をいたしました。

皆さんの熱意がそれぞれの論文から伝わってきます。

6名の方を受賞者といたしましたので、お名前・論文名は『学報』でご覧ください。

授賞式は、卒業式後に行います。

賞状と副賞(図書カード)、それにおまけが一つ付く予定です。

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郊外へ、梅探索。

曇り空のせいか、ひっそりとした山の斜面に紅梅と白梅が香っていました。

今年は、開花がちょっと遅いようです。

風は冷たくとも、巣立ってゆかれる方々に幸あれ。