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2025年1月15日 (水)

冬の月【研究室から】

新年のご挨拶が遅れました。

今後ともご贔屓に。

さて、昨晩は旧暦の12月15日でした。

冴え冴えとした月が夜空高くかかっているのは、冬の見物です。

冬の月については、源氏物語朝顔巻に有名なくだりがあります。

「人の心をうつすめる花紅葉よりも、

 冬の夜の澄める月に雪の光あひたる空こそ、

 あやしう色なきものの身にしみて」

古い注釈によれば、枕草子に「すさましきもの、しはすの月夜」とあったとか。

現在、枕草子のどの本にも、この表現が見当たりません。

二中歴には「冷物 十二月月夜」と出ていて、これが該当しそうです。

ともあれ、朝顔巻の文章を絵画化したのが、こちら。Photo源氏小鏡の明暦版から採りました。

(この絵、慶安跋の絵入源氏物語とよく似ています)

では、暖かくしてお過ごしください。

鶴見大学文学部日本文学科研究室