2011年7月20日 (水)

【高校生・受験生のみなさんへ】

猛暑の次は台風、なかなか落ち着きません。

講義の合間を縫って、古典籍の調査に出かけました。

江戸時代の門をくぐったところに、目指す文庫があります。

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学問の根底となる書物を、ひとつひとつ調べること。

決して派手ではありません。

しゃれた批評や、高級な理屈もありません。

でも、地道で愚直な仕事が、研究にしっかりとした基礎を与えてくれます。

そんな学風に関心がおありでしたら、是非どうぞ。

7月24日(日)のオープンキャンパスで、お目にかかりましょう。

2011年7月11日 (月)

ご来場ありがたく存じます【研究室から】

7月9日(土)の日本文学会には、猛暑にもかかわらず、多くの皆様が来られました。

また高校の先生がいらっしゃったことに対し、御礼申し上げます。

平藤さんの研究発表は、様々な発展可能性を含んでいて、おもしろいものでした。

特筆すべきは、散木奇歌集奥書をめぐっての白熱の応答です。

大人伊倉氏と俊才久保木氏のやりとりに、石澤・中川両氏が参戦。

閉会予定時刻ぎりぎりまでの応酬は、何某学会よりよほど迫力がありました。

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強い日差しが続きます。

研究室近くの夏木立です。

山田美妙に同名の小説集がありますので、ちょっと眺めてみてください。

2011年7月 3日 (日)

笑いで暑さを【研空室から】

江戸っ子の「一言」は、「なるほど」です。

(「なるほど」から掛詞を抜き出し説明しなさい、などど野暮なことは申しません)

珍書『初なすび一口はなし』の例を、もうひとつ。

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「このおけはもるぜ」

「そこにやあ、きがつかねへ」

他愛もない話ですが、過ごしにくい時期にせめて笑いでも。

2011年6月29日 (水)

くわばらくわばら【研究室から】

この暑さと湿度と節電とで、かならずしも快適とは言えない毎日。

梅雨明け雷が待ち遠しくなります。

勿論雷は、地震雷火事なんとかと数えられ、昔から恐ろしいものの代表です。

蚊帳をつり、線香を焚き、くわばらくわばらと唱えるのが、ならわしでした。

さて、女性が「かみなりさまはこわいねへ」と震えています。

ここで、気の利いた一言を。

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上の図は『初なすび一口はなし』(とても珍しい本です)から取りました。

江戸の人の「一言」は、次回のお楽しみ。

2011年6月17日 (金)

季節感【高校生・受験生のみなさんへ】

水無月―「みなづき」と読みます。

今は梅雨の月ですが、明治5年までの暦では、1年のうち最も暑い時期でした。

そこで、涼しげな和菓子登場!

名は「水無月」です。

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藍九谷の皿に盛ってみました。

関西、特に京都のありふれたお菓子ですけれど、こちらではあまり見かけません。

なじみのお店で作ってくれたものです。

6月26日(日)は、水無月オープンキャンパス

緑深い鶴見へ、どうぞ。

2011年6月 9日 (木)

日本文学会のご案内【お知らせ】

他の学会と重なり、遅めの「春季大会」開催となりました。

日時 平成23年7月9日(土)午後2時より

場所 鶴見大学記念館第3講堂(3階)

総会・研究発表・講演

 研究発表:平藤 幸(本学非常勤講師)「富士川合戦の水鳥」

    講演:伊倉 史人(本学ドキュメンテーション学科准教授)

        「『散木奇歌集』と『俊頼髄脳』についてー伝本研究を中心にー」

お誘い併せてお越しください。予約不要・入場無料です。

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ホトトギスの季節です。

『文玉百人一首』は、その絵柄が徹底して江戸風にこしらえられています。

さらにおもしろいのは、欄外(匡郭の外側)にホトトギスを描き添えていること。

「なきつるかたをながむれば」、もうそこにホトトギスはいない、と言う趣向です。

この無駄な、でも見事な、遊び心!

2011年6月 6日 (月)

歌舞伎研究で受賞!【研究室から】

佐藤かつら先生が、第6回林屋辰三郎藝能史研究奨励賞を受けられました。

昨年の歌舞伎学会奨励賞に続く、快挙です。

みなさんは、優秀な卒業論文を対象とする鶴見日本文学会賞を目指してください。

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国文学界の至宝岩佐美代子博士お手製の、和紙人形です。

先生もお芝居が大好きでいらっしゃいます。

名優十五代羽左衛門のお話を、幾度も拝聴しました。

いいものをたくさん見、聞き、読むこと。

それは、かけがえのない、あなただけの宝物です。

2011年5月 9日 (月)

汽笛一声【在学生のみなさんへ】

新緑の季節です。

しばらくすると、一泊参禅の催しがあります。

慣れない作法やお寺の環境に、とまどうこともあるでしょう。

新入生のみなさんには、いい経験になるかと思います。

体調を整えて、いざ。

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明治の機関車(陸蒸気)が、新橋へ。

右手は泉岳寺、左には高輪の海が広がっています。

画面奥は横浜、鶴見は月の下あたりでしょうか。

洋風汽船と和船が浮かび、いかにも文明開化の風景です。

2011年4月30日 (土)

不思議な絵【高校生・受験生のみなさんへ】

少し汚れていますが、200年ほど前の本ですので、ご勘弁下さい。

お嬢さんが、のこぎりを手にしています。

はて、これはなんでしょう。

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と言うお話も、オープンキャンパスでいたします。

5月22日(日)午後1時より開催。

初夏の鶴見、のキャンパスへどうぞ。

2011年4月23日 (土)

読めるところから【在学生のみなさんへ】

新緑の候となりました。

ケヤキ・楠・若楓、とりどりに個性があって、見事です。

日本文学会の刊行物が配布される季節でもあります。

多少(あるいは、相当)難しくても、読めるところから読んでみてください。

ちょっとだけ背伸びをしてみることも、大切です。

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室町時代に写された『伊勢物語』(第12段、伝明融筆)です。

すぐに読める文字も、調べて分かる文字もあるでしょう。

500年も昔の書物が読める。不思議だと思いませんか。

ともあれ、読めるところから。