2012年7月28日 (土)

苔清水【高校生・受験生のみなさんへ】

暑中お見舞い申し上げます。

体調管理には十分気をつけてください。

ただし、暑いからと言って、家の中に籠もりきりはよろしくありません。

8月5日(日)、オープンキャンパスに是非どうぞ。

日本文学科でも、ささやかな体験コーナーを設ける予定です。

さて、夏の日、木立をくぐり抜け山道をたどると、思いがけない発見もあります。

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岩のくぼみに、湧水!

「苔清水」の表現がぴったりの光景です。

この言葉は、江戸時代の風流人が好んで使いました。

2012年7月16日 (月)

見かけない花【研究室から】

先週(14日)の日本文学会は、川端文学を題材にした師弟そろい踏み。

在学生の他、卒業生や大学院修了生の皆さんが来てくださったことに感謝します。

貞政少登先生(名誉教授・日展審査員)のご来駕も特筆ものです。

会のあとは、にぎやかな懇親会となりました。

ところで、古典文学の中ではなかなか見つけられない花があります。

可憐優美なホタルブクロ(ツリガネソウ)もそのひとつ。

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別の名前で、ひっそりと隠れているのかもしれません。

南蛮ギセルの無骨さも、「思ひ草」となれば風情豊かであるように。

2012年7月 2日 (月)

むかしの記号【高校生・受験生のみなさんへ】

急に暑くなりました。

健康管理には十分気をつけて下さい。

この季節、ホトトギスがしきりに鳴いています。

餌(主として虫)や托卵のための巣(多くはウグイス)が豊富なのでしょうか。

古典文学の中にも、ホトトギスがたくさん登場します。

室町時代後期写の『古今集』から、夏の部。

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4行目上方に、朱の書き入れ。

斜めのは合点、丸は声点(しょうてん=アクセント記号)です。

拡大してみます。

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何百年も前の書物が読める、書いた人の意図がわかる。

日本文学科では、こんな勉強もします。

2012年6月24日 (日)

花【在学生のみなさんへ】

アジサイが咲くと、そろそろ定期試験の季節です。

人目を引く花ばかりではありません。

地味ながら昆虫たちの働き場所となり、大切な食材につながるもの。

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にんじんの花です。

ミツバチの勤勉な後ろ姿もご登場。

6月28日(木)午後、大学院の説明会があります。

6号館1階奥、院生控え室へ、どうぞ。

ささやかなおもてなしも用意されている、そうです。

地味だけれど実証的で有用な研究が、誇りです。

2012年6月12日 (火)

ベストセラー【高校生・受験生のみなさんへ】

古典から近現代までの日本文学の内、最も広く長く好まれた作品は?

それは多分、源氏物語でも夏目漱石でもなく、百人一首でしょう。

江戸時代の多種多様な出版、さまざまの写本・・・

近代に入ってからも、豪華な絵入り本が作られました。

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大正4年(1915)刊行の百人一首です。

厚手の和紙に、多色木版の絵。

図は、紫式部。「めぐりあひて」の歌が添えられています。

17日(日)のオープンキャンパスでは、百人一首も登場の予定!

2012年6月 6日 (水)

川端二本立て【お知らせ】

本年度の日本文学会春季大会は、以下の通り開催されます。

日時:平成24年7月14日(土)午後2時~

会場:鶴見大学5号館2階(5-201教室)

研究発表:佐久間 兼人(大学院博士前期課程)

       「眠れる美女」論ー第五夜の江口の行方ー

講演:   片山 倫太郎(本学教授)

       川端康成 官能の原点と再帰

お誘いあわせてお越しください。懇親会も予定しております。

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縁結びのお社で見かけました。

よーくご覧ください。向かって右側のイチョウが逃げています。

左側の木が追いかける形。

その2本を強引にしめ縄で結びつけて、なるほど「縁結び」。

相思相愛のみが「縁」なのではない、とは、深遠な!

川端康成から、妙なことを連想しました。

2012年5月24日 (木)

牧さん、受賞!【研究室から】

若手俳諧研究者に贈られる「柿衛賞」(かきもりしょう)、本年度は牧藍子講師に決定!

6月3日(日)に、受賞記念の講演会が伊丹市柿衛文庫で行われます。

国文学の分野では、権威ある賞のひとつです。

(岡田柿衛翁は、実業家・市長・研究者を兼ねた大文化人)

さわやかな季節に、気持ちのよいニュースです。

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こちらもさわやかな青白磁、元あたりでしょう。

蓮花文を陽刻した蓋のうえに、獅子の鈕。

(ひいき目では、南宋)

可愛い獅子を拡大すると、

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とろりとした釉薬の下に、なんとか眼や口が見えます。

しっぽが、これまた・・・

2012年5月14日 (月)

杜若のころ【高校生・受験生のみなさんへ】

さわやかな季節です。

水辺にも初夏の花、あやめや杜若が咲き始めます。

(杜若は燕子花とも書きます。読みはカキツバタ)

ちなみに、菖蒲とあやめ・カキツバタは、別の科。

古典文学では勿論『伊勢物語』の東下り、三河の八つ橋が有名です。

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『伊勢物語男百首』から、八つ橋の場面を採りました。

右側は「から衣/きつゝなれにし/つましあれば」です。

とても珍しい本、現存10部以内でしょうか。

こんな古い書籍も、5月20日(日)オープンキャンパスで見られます。

緑の鶴見へ。

2012年5月 6日 (日)

日本文学会のこと【お知らせ】

会場確保が難しかったり、講演者の都合が悪かったりで、春季大会は少し遅れます。

7月14日(土)午後の予定です。

細部が決まりましたらまたお知らせしますので、大いにご宣伝ください。

片山倫太郎教授の講演と、佐久間兼人君(大学院博士前期課程)の研究発表。

川端康成が題材の、師弟競演となるでしょう。

(そういえば、川端の小説『禽獣』に「女流舞踊家の競演」と言う用例がありました)

会員のご家族や友人も、どうぞ。

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雨があがって、昨日は上々の晴天。たっぷり潤った新緑を、大学脇で撮影しました。

梢の若葉が翻ると、風も輝いて見える季節です。

明日から、また研鑽の積み重ねが始まります。

2012年4月24日 (火)

ご相談に、どうぞ【在学生のみなさんへ】

今年も黄金週間が近づきました。

とても珍しい本のなかから、絵をひとつ。

端午の節句にちなみ、鎧武者と粽(ちまき)です。

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説明が付いています。

「よろゐ(鎧)をきた人が、ちまきをかわごと」

さて、この続きはなんでしょう。

気になったら、学習アドバイザーにお尋ねください。

わからないことはなんでも質問、これが勉強の早道。

日本文学科は木曜(15時~19時)、大学院生の山崎君が担当します。

見かけと大違い(?)、とてもやさしく親切です。