2012年11月14日 (水)

梶の葉【高校生・受験生のみなさんへ】

いまごろ梶はおかしいでしょう、とおっしゃる方は学識十分。

そうです。梶は平安時代から七夕の景物でした。

ところが、晩秋の梶を見てびっくり。

変化のあるかたちと、鮮やかな黄色、うなりますね。

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自然の造形力、とでも言うのでしょうか。

背景は、名匠田中親美翁の作品です。

文学の中には、梶に限らず多くの植物が描かれます。

探してみてください。

鶴見大学文学部日本文学科

2012年10月30日 (火)

つみ重ね【研究室から】

卒業論文にせき立てられる季節です。

なにごとも日頃のつみ重ね。

今年は紅葉も黄葉も遅れています。

だからといって締め切りが遅くなることはありません。

しまった、と言うことのないように。

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研究室の近く、常磐木の上に紅。

幾層かの色の重なる羊羹を連想しました。

銀杏も楓も、論文もまだこれからです。

鶴見大学文学部日本文学科

2012年10月18日 (木)

秋季大会と人形【お知らせ】

ご案内いたしましたように、11月17日(土)日本文学会秋季大会が開かれます。

田口先生の最終講義も兼ねておりますので、お誘い併せてお越しください。

さて、本学名誉教授岩佐美代子先生から、可愛い贈り物が届きました。

岩佐先生は当代最高の国文学者のおひとり、ご研究の合間に作られたとか。

和紙の風合いが生かされた、素敵な人形です。

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この人形を、5名の方に差し上げます。

在学生・卒業生・一般の方々、

当日会場に来られる方であれば、どなたでも結構です。

11月8日(木)必着、お申し込みは葉書で下記へ。

230-8501

横浜市鶴見区鶴見2-1-3

鶴見大学文学部日本文学会「和紙人形」係

応募者多数の場合は、厳正に抽選いたします。

鶴見大学日本文学会

2012年10月 8日 (月)

再びお気に入り【高校生・受験生のみなさんへ】

スポーツに好適、食べ物もおいしい、ついでに勉強も、の季節となりました。

ちょっと古風な、机辺の脇役達をご紹介します。

蒔絵と銀金具の文房具です。

左から、紙に穴をあけて綴じるための錐・紙を切る小刀・筆2本・墨柄。

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背景は、田中親美翁制作の装飾経料紙。気品高く、豪華です。

小刀の銀金具に近づいてみましょう。

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典雅精妙な細工に驚かされます。

お気に入りを手元において、さあもうひとがんばり。

今、AO入試2期の面談期間です。

エントリーをお待ちしております。

鶴見大学文学部日本文学科

2012年9月28日 (金)

日本文学会のこと【お知らせ】

今年度の日本文学会秋季大会は、次の通り開催されます。

日時 平成24年11月17日(土)午後2時30分~

会場 鶴見大学5号館2階201番大教室

講師 田口 暢穗(本学教授)

    私の古典詩読法―モチーフと形式と―

田口教授は、唐詩の伝統的訓詁に関する第一人者です。

永い教育研究活動に裏打ちされた、含蓄のあるお話になろうかと。

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鎌倉時代書写の『白氏文集』新楽府、光泉寺切と呼ばれる名物切です。

白楽天の話題もきっと出てくるでしょう。

最終講義も兼ねての講演ですので、お誘いあわせてお越しください。

鶴見大学文学部日本文学科

2012年9月16日 (日)

季節の味【在学生のみなさんへ】

読書に最適、でもありますが、食べ物のおいしい季節です。

徳島から、スダチが到来しました。こうなると、秋刀魚ですね。

ちゃんと「さんま」と読んで、佐藤春夫の「秋刀魚の歌」を思い出せば、上々。

詩では『殉情詩集』がお勧めです(ただし「秋刀魚の歌」は入っていません)。

今様・短歌の他に、小説・随筆・評論もたくさん書いた、いかにも文豪。

ひとつくらいは、読んでください。

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スダチと瀬戸の小皿です。

小皿は江戸時代初期でしょうか。黄色地に緑の斑紋が好もしい。

緑は銅の釉薬です。

銅は、焼成法次第で紅にも発色しますが、これについてはまた別の機会に。

鶴見大学文学部日本文学科

2012年9月 6日 (木)

今昔【高校生・受験生のみなさんへ】

秋の風情が感じられるようになりました。

これからもうひとがんばり、の季節です。

ところで新しい建物が出来た時、ここに何があったのだろう、と思うことはありませんか。

ほんの少し前のことがわからなくなったり、あっという間に変わってしまったり・・・

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100年ほど前、谷口香嶠(1864~1915)が描いた洛西長岡の秋です。

平城京の後、しばらく都がおかれました。

のどやかで、なんとなく古雅な風景が広がっています。

住宅地となった今からは、想像も出来ないほどの変化です。

さて、「のどやかで古雅な」文学を現代の情報機器に結びつけるとどうなるでしょう。

9月16日(日)のオープンキャンパスで、ちょっとお話しします。

秋の横浜へ、どうぞ。

鶴見大学日本文学科

2012年8月29日 (水)

野の花【研究室から】

秋の七草の季節です。

野の花では萩が一番のおなじみでしょうか。

最近は女郎花を見かけることが少なくなりました。

何々植物園と銘打った場所で、七草を眺めることは勿論出来ます。

お勧めは、殿ケ谷戸庭園(国分寺市)。

野草の飾らない風情は、とてもいいものです。

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高麗青磁の油壺、たぶん13世紀。

白と黒の土を象嵌、花模様を描いています。

作り手の意図はよくわかりませんが、日本の古陶好きは野菊だと考えてきました。

(菊の花に関する古典文学について、ちょっと調べてみてください)

化粧用香油を入れたものでしょう。持ち主は、どんなひとであったのか。

鶴見大学文学部日本文学科

2012年8月19日 (日)

残暑【高校生・受験生のみなさんへ】

夏休みも折り返し点を過ぎました。

計画通り進んだ人も、予定をこなせていない人も、健康第一で乗り切ってください。

さて、夏空に豪壮な藁葺き屋根。

文久年間(1861~1864)に建てられ、今なお健在です。

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健在どころか、なんと現役の病院!

大きな百日紅(サルスベリ)もすてきです。

当世風の施設にはない魅力が、確かにあります。

けっして古びないおもしろさ、古いがゆえの味わいと美しさ。

8月26日(日)は、オープンキャンパス

そんなお話が出来れば、と思っています。

鶴見大学文学部日本文学科

2012年8月 8日 (水)

一息いれて【在学生のみなさんへ】

まだ暑い日が続きます。

夏休みの課題が一歩一歩完成に近づく時期でもあります。

存分に取り組み、大きな成果をあげられることでしょう。

(これが皮肉と聞こえるようでは、いけません)

疲れたらちょっと一休み。

定番は、お茶とお菓子です。

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絵唐津の小皿に、薯蕷饅頭「青かえで」を載せました。

老舗の道具屋さんに褒められた器です。

(確かに好もしい皿ですけれど、プロが褒めるほどではないでしょう)

ここから、教訓。

専門家は素人をおだてるのがうまいので、調子に乗ってはいけません!

鶴見大学文学部日本文学科