2015年7月 3日 (金)

夏草や【研究室から】

「つはものども」は登場しません。お地蔵様です。

梅雨前の散策中に、童顔の石仏と出会いました。

享保4年己亥(1719)の銘があります。

ずっとここに立っていらっしゃっるのかは、わかりません。

Photo_2

300年近く迷える衆生を静かに見守ってくださったことは、確かです。

さて、諸般の事情により遅れておりました日本文学会春季大会は7月25日(土)開催。

中世の和歌と説話の講演2本立てを予定しております。

しばらくしましたら、くわしくご案内します。

お誘い併せてお越しください。

鶴見大学文学部日本文学科

2015年6月18日 (木)

鶴見大学図書館 貴重書展のお知らせ

いよいよ梅雨も本番ですね。重苦しい空模様が続きますが、

こんな時こそ体調管理に気をつけて、何とか無事に乗り切りたいところです。

さて、梅雨空の憂さを多少とも吹きとばしてくれることを念じつつ、一つお知らせをいたします。

来る6月25日(木)から、鶴見大学図書館にて、第140回貴重書展が開催されます。

Dsc03583

鶴見大学が所蔵する貴重な古典籍の数々は、夙に名高いところですが、

今回はその中から、江戸時代の絵入り小説・「草双紙」を中心にした展示が企画されています。

挿絵入りの読み物である草双紙は、現代の漫画に近いところもあると言われますが、

さてどういうところが重なるのか、あるいはどこが違うのか、ぜひご自身の眼でご覧ください。

[草双紙の諸相 ― 絵と文を読む江戸文芸]

【会期】

平成27年6月25日(木)~7月15日(水)

【会場】

鶴見大学図書館1階エントランス

【開館時間】

平日 8:50~20:00

土曜 8:50~18:00

日曜 閉館

(※下記に、「鶴見大学図書館ブログ」の当該記事へのリンクもお示しいたします。ぜひあわせてご一覧を!)

http://blog.tsurumi-u.ac.jp/library/2015/06/post-0f1b.html

草双紙は、時代によって形態・内容とも様々ではありますが、

昔話のパロディや、機知と「笑い」を重視する作品群、あるいは長編の伝奇的ロマンなど、

読み物として、また挿絵を眺めるだけでも魅力的な作品揃いです。

Dsc03623

Dsc03529

日頃なかなか接する機会のない古典籍を、間近で眺められる貴重な機会です。

会期中、図書館に立ち寄られる折になりと、ぜひご覧になってみてください!

2015年3月31日 (火)

春爛漫

今年もまた、桜の季節がめぐってきました。

これまでたくさんの卒業生の門出を祝い、新入生を迎えてきた鶴見の桜が、これからも美しい花を咲かせますように。

Dsc_6026

鶴見大学文学部日本文学科

2015年1月 8日 (木)

鶴見大学日本文学会賞のお知らせ

四年生のみなさま、卒業論文の執筆、おつかれさまでした。

お正月はのんびり過ごせましたでしょうか。

さて、鶴見大学日本文学会には、優秀な卒業論文を褒賞する制度があります。

受賞対象者は七名程度、受賞者には卒業証書授与式の後に賞状と賞品を授与いたします。

現在、自己推薦のエントリーを受付中です。

エントリーの方法は、教学課、または日本文学科主任の片山先生から申請用紙を受け取り、卒業論文のコピーを添えて片山先生まで提出してくださればOKです。

締め切りは平成二十七年二月九日、お待ちしております。

新幹線の車窓からの富士山。

今年もみなさんにとってよい一年となりますように。

Dsc_5632

鶴見大学文学部日本文学科

2014年12月 1日 (月)

鶴見大学日本文学会秋季大会のお知らせ

来週末の12月6日、鶴見大学日本文学会秋季大会を開催します。

日時 平成26年12月6日(土) 午後2時開会

会場 鶴見大学5号館301教室

講演 菊地隆雄(本学客員教授)

    『満洲』の文芸を支えた人々

    筒井茂徳(本学非常勤講師)

    活字体と筆記体

入場無料・予約不要です。

一般の方・高校生のみなさんのご参加もお待ちしております。

ぜひお運びください!

先週末、紅葉狩りに行きました。

嵐山の渡月橋です。橋の上は人でいっぱいです。

Dsc02895_3

夏には緑一色だった山がさまざまに色づいています。

嵐山から小倉山へと向かいました。

小倉山は古来有名な歌枕で、藤原定家の撰んだ「百人一首」にも「小倉山みねの紅葉ば心あらばいま一たびのみゆき待たなむ」という、小倉山の紅葉を詠んだ歌が採られています。

ところで、小倉山には藤原定家ゆかりの時雨亭跡と伝わる場所がいくつかありますが、そのうちの一つ、二尊院の時雨亭跡です。

山の中腹の少し奥まったところにあり、あまり人がいませんでした。

Dsc02969

振り返ると、京都の町が見えます。

Dsc02970

二尊院には渡月橋を建設した角倉了以、江戸時代の儒学者伊藤仁斎・東涯父子のお墓もあります。

こちらもあまり見る人はいないようです。

Dsc02991

京都五山、東福寺の紅葉です。

少し見頃を過ぎていましたが、それでも十分きれいでした。

鶴見大学文学部日本文学科

2014年10月 1日 (水)

蒲の穂

今年はデング熱を心配しているうちに、秋の植物をいろいろ見逃してしまいました。

そこで去年のこの時期に植物園で撮った蒲(がま)の写真を。

Dsc_3556

わかりにくいですが、緑の間に茶色い棒状の穂が見えるでしょうか。

もう一枚は少し遠くから写したものです。

Dsc_3558

穂は見えにくいですが、水中から群生している様子がわかると思います。

冬になるとこの穂がほころびて、たくさんの綿毛が出てきます。

『古事記』の因幡の白兎の伝説に、この蒲が登場します。

和邇(わに)に皮をはがれた兎が、大穴牟遲神(おおなむぢ)に蒲を散り敷いた上に転がれば皮膚が癒えると教えられ、その通りにすると元通りになったという話ですが、実際蒲の花粉には止血効果があると言われています。

近寄って撮影することができず、全く写真映えしませんが、実物を見るとかなり存在感のある面白い植物です。

鶴見大学文学部日本文学科

2014年9月22日 (月)

掛川

前回の大磯に続き、翌日は掛川を訪ねました。

西行の「年たけてまた越ゆべしと思ひきや命なりけり小夜の中山」(新古今和歌集)などで有名な歌枕で、旧東海道の日坂宿と金谷宿の間にある難所、小夜の中山の写真です。

Dsc02192_2

山の斜面に作られた茶畑が目前に迫ってきます。

小夜の中山は夜泣石の伝説でも有名ですね。

轟業右衛門という男に斬り殺された妊婦お石の魂魄が、そばの丸石にのりうつり夜ごとに泣いたという伝説で、最後はお石の傷口から生まれた子が業右衛門を討って恨みをはらします(曲亭馬琴『石言遺響』)。

これがその夜泣石。久延寺(きゅうえんじ)境内にあります。

Dsc02184

他に事任八幡宮(ことのままはちまんぐう)にも行きました。

『枕草子』にも登場する由緒ある神社で、現在はパワースポットとして人気だそうです。

大きなクスノキとスギのご神木が印象的でした。

Dsc02198

鶴見大学文学部日本文学科

2014年9月 1日 (月)

大磯

夏休みも終わり、だいぶ涼しくなってまいりましたね。

9月14日(日)はオープンキャンパスです。

模擬授業は、高田信敬先生と中川博夫先生のコンビで行い、テーマは「古典とコンピュータ」です。

お楽しみに!

先日、大磯・掛川に行ってきました。

大磯の鴫立庵です。

Dsc02107_4

西行が大磯あたりで詠んだとされる「心なき身にもあわれはしられけり鴫(しぎ)たつ沢の秋の夕暮れ」(新古今和歌集)にちなんでいます。

庭にはたくさんの石碑が立てられていました。

八十もの碑があるようです。

Dsc02087

熱海に移動し、お宮の松を見ました。

尾崎紅葉『金色夜叉』中の名場面、主人公寛一とお宮の別れの場面(「来年の今月今夜のこの月を」の台詞で有名ですね)の舞台といわれています。

Dsc02110

これは初代お宮の松。

現在は二代目お宮の松ががんばっていて、その隣には寛一とお宮の像が立っています。

Dsc02114_3


もっと険しい表情をしているイメージでした。

鶴見大学文学部日本文学科

2014年8月13日 (水)

平泉

8月23日(土)はオープンキャンパスです。

模擬授業は新沢典子先生による「古代の文学と現代日本語」です。

前回に引き続き、多くのみなさまのご来場をお待ちしております!

先週、平泉に行ってきました。

あいにくのお天気で、山からは雲が湧き出し、霧が立ちこめていました。

Dsc_5480_2

奥州藤原氏初代清衡が建てた中尊寺金色堂は、この中に保存されています。

Dsc_5465

子どもの頃に金色堂を見たときには、ただただ金だという印象しかありませんでしたが、改めて見ると螺鈿細工がとてもきれいでした。

芭蕉はここで「五月雨の降りのこしてや光堂」の句を残していますが、曾良の日記によると、芭蕉が中尊寺を訪れた日は晴れだったようです。

毛越寺大泉が池です。

Dsc_5519_2

見る方向によって、池の趣がいろいろに変わります。

雨が降ったりやんだりしたせいもあるかもしれません。

境内には「夏草や兵どもが夢の跡」の芭蕉直筆句碑がありますが、ほかにこの句を新渡戸稲造が英訳して揮毫した碑もありました。

Dsc_5487_3

The  summer grass

  'Tis all that's left

Of ancient warriors' dreams.

                        Inazo Nitobe.

新渡戸稲造は、ご存知の通り旧五千円札に描かれた人で、岩手県出身です。

2014年7月28日 (月)

石上神宮

梅雨が明けて本格的な暑さがやってまいりましたが、みなさまお元気にお過ごしでしょうか。

8月3日(日)はオープンキャンパスです。

模擬授業は、江戸時代のパロディ小説『仁勢物語(にせものがたり)』(なんの作品のパロディかわかるでしょうか?)についての話です。

ぜひお越しください!

奈良に調査に行ったついでに、石上神宮に行ってきました。

『日本書紀』にも記述が見える、とても古い神社です。

ここに蔵されている、金象嵌の銘文が施された七支刀(しちしとう)は、日本史の教科書などにも取り上げられており、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

石上神宮は布留(ふる)社ともいいます。

大学生の頃に復曲能「布留」を観たことを思い出しました。

Dsc02043

国宝の拝殿です。

また境内には、いろいろな種類の鶏がたくさん放し飼いにされています。

Dsc02034_2

神鶏も暑そうです。

Dsc02052

うら手には美しい水田が広がっていました。

鶴見大学文学部日本文学科