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2020年12月

2020年12月29日 (火)

ゆくとしの【研究室から】

常套句で気が利きませんけれど、今年も残りわずかとなりました。

心がけの良いみなさまは順調に年越しでしょうが

担当者は課題を抱えたままの年の暮れです。

「ゆく年のをしくもあるかなますかがみみるかげさへに暮れぬと思へば」

馬齢を重ねるばかりで、と言うと馬が気を悪くします。

そこで、本年最後の古典籍をお目にかけることに。Photo和漢朗詠集、なかなかの筆跡と思います。

いつ頃の書写でしょうか。

ぴたりと言い当てられれば、最高度の目利きを保証します。

「ゆくとしの」の和歌の前は「歳月難従老底還」。

お若い方には無縁でしょうが、身につまされる詩句です。

さて寒波到来、おすこやかにお過ごしください。

来年もご贔屓に。

鶴見大学文学部日本文学科研究室

2020年12月17日 (木)

時空をこえて【研究室から】

と言いましても、タイムマシンや宇宙旅行のことではありません。

今年は楽聖生誕250年、ベートーヴェン・イヤーだそうです。

また、詩情豊かな別の音楽家没150年でもあります。

ヨーゼフ シュトラウスは、楽聖の亡くなった年に生まれました。

兄ヨハンをしのぐ才能とあふれる機知、気品に満ちた曲は忘れがたいものです。

「うわごと」「オーストリアの村つばめ」そして「天体の音楽」。

英国の挿絵画家C.ロビンソンにMusic of the Spheresと言う作品があります。

人に聞こえない音楽を奏でて天体が運行する、と古代希臘の哲人は考えました。

「天体の音楽」はそのアイデアをワルツにしたものです。

絵に描けば、こんな風。
Photo
名作として評価の高い子供向けの本に収められています。

(もちろん、大人が見ても十分楽しめる書物です)

ヨーゼフが亡くなった年に、この画家が生まれていますので

ベートーヴェン、ヨーゼフ シュトラウス、ロビンソンと不思議な連鎖。

この本の表紙も面白いので、ことのついでにご紹介しますと・・・Photo_2女の子が蹴り上げているのは、地球!

音楽の話だか絵画談義だか、わからなくなりました。

ヨーゼフ シュトラウスに戻って、おすすめはポルカ マズルカです。

特に「燃ゆる恋」、ボスコフスキーがとてもよかった。

どうも昔話になりそうで。

鶴見大学文学部日本文学科研究室