ゆくとしの【研究室から】
常套句で気が利きませんけれど、今年も残りわずかとなりました。
心がけの良いみなさまは順調に年越しでしょうが
担当者は課題を抱えたままの年の暮れです。
「ゆく年のをしくもあるかなますかがみみるかげさへに暮れぬと思へば」
馬齢を重ねるばかりで、と言うと馬が気を悪くします。
そこで、本年最後の古典籍をお目にかけることに。和漢朗詠集、なかなかの筆跡と思います。
いつ頃の書写でしょうか。
ぴたりと言い当てられれば、最高度の目利きを保証します。
「ゆくとしの」の和歌の前は「歳月難従老底還」。
お若い方には無縁でしょうが、身につまされる詩句です。
さて寒波到来、おすこやかにお過ごしください。
来年もご贔屓に。
鶴見大学文学部日本文学科研究室