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卒業論文はいかがでしたか。
思い通りに、それとも、もう少し頑張れば・・・。
次は定期試験です。あともう一山、それを過ぎると春が近づきます。
さて、みなさんとほぼ同じ年齢で、近代の作家は何を書いていたでしょうか。
漱石は比較的遅い出発ですが、学生の頃見事な漢文で『木屑録』を綴ります。
尾崎紅葉はすでに大家かつ売れっ子でした。
面白いのは、芥川龍之介の最初の作品が『老年』だと言うこと。
幸田露伴も、若い時代に晩歳老境を語る小説を書いています。
『太郎坊』です。音に聞こえた『五重塔』よりずっとおもしろいでしょう。
頭の薄くなった亭主の昔話仕立てですが、相手をするおかみさんも見事。
「伊万里の刺身皿」「同じ永楽」「中は金襴地で外は青華で」などと
すらすら続けられる女性が、はて、向こう三軒両隣におられましょうや。
道具修行をかなり積まないと、このおかみさんのようにはなりません。
左利き必読、となれば、盃を並べてみたくなります。
絵瀬戸盃・明呼子盃・無地志野猪口・李朝粉引盃です。
台は李朝の漆器、時折これで飯を食います。
(担当者は、情けないことに下戸)
では、お風邪など召しませぬよう。
鶴見大学文学部日本文学科研究室
今日は、モーツアルトの命日です。ご存じでしたか。
明快な構成、繊細で陰翳に富む旋律、絶妙の転調・・・
彼の音楽を聴くことは、大きな喜びです。
音楽史上最高の神童は、亡くなるまでその楽才を輝かせていました。
と言うより、才能を伸ばし続けた、のではないでしょうか。
十で神童、十五で才子、二十過ぎればただの人、の皮肉とまったく逆です。
(講師で俊英、准教授で知恵者、教授になったらただの人、とは申しません)
天才を偲んで、その頃作られた器をご紹介します。
捻文輪花の古伊万里染付鉢、お菓子は添え物です。
お定まりのレクイエムを出さない、このひねくれが担当者の身上。
さて、今週土曜には日本文学会秋季大会がございます。
どうぞお越しください。お待ちしております。
鶴見大学文学部日本文学科研究室