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2018年12月18日 (火)

若書き【研究室から】

卒業論文はいかがでしたか。

思い通りに、それとも、もう少し頑張れば・・・。

次は定期試験です。あともう一山、それを過ぎると春が近づきます。

さて、みなさんとほぼ同じ年齢で、近代の作家は何を書いていたでしょうか。

漱石は比較的遅い出発ですが、学生の頃見事な漢文で『木屑録』を綴ります。

尾崎紅葉はすでに大家かつ売れっ子でした。

面白いのは、芥川龍之介の最初の作品が『老年』だと言うこと。

幸田露伴も、若い時代に晩歳老境を語る小説を書いています。

『太郎坊』です。音に聞こえた『五重塔』よりずっとおもしろいでしょう。

頭の薄くなった亭主の昔話仕立てですが、相手をするおかみさんも見事。

「伊万里の刺身皿」「同じ永楽」「中は金襴地で外は青華で」などと

すらすら続けられる女性が、はて、向こう三軒両隣におられましょうや。

道具修行をかなり積まないと、このおかみさんのようにはなりません。

左利き必読、となれば、盃を並べてみたくなります。

Photo 古伊万里染付筒型猪口から左回りにご紹介。

絵瀬戸盃・明呼子盃・無地志野猪口・李朝粉引盃です。

台は李朝の漆器、時折これで飯を食います。

(担当者は、情けないことに下戸)

では、お風邪など召しませぬよう。

鶴見大学文学部日本文学科研究室