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2018年10月

2018年10月19日 (金)

十三夜【研究室から】

明後日は旧暦の9月13日、栗名月です。

8月15日の芋名月を眺めた方は、栗のほうもどうぞ。

一方だけ賞美することは、片見月または片月見と言われました。

(この両語、どちらかがmetathesisを起こしたのではないでしょうか)

十三夜をめでる習慣は、平安時代(10世紀)に成立しています。

では、例によって和菓子と器を。

Photo 織部の小皿に薯蕷饅頭を載せています。

薄の焼き印と月、緑は野原でしょうか。

さて、明日から大学祭(紫雲祭)が始まります。

最終日が十三夜ですので、月を眺めつつの家路も風流かと。

そうそう申し忘れました。

まさか『十三夜』を読んだことがない、とは仰らないでしょうね。

樋口一葉のこの小説を読むと、益田太郎冠者の「癇癪」を思い出します。

桂文楽が絶品でした。

ここから近代の大茶人鈍翁へ話を延ばすこともできますが、それはまた。

鶴見大学文学部日本文学科研究室

2018年10月 7日 (日)

武蔵野【研究室から】

青空が一段と深いこの頃、雑木林や丘陵を歩くのはとても楽しいことです。

関東の木々は派手な色づき方をしません。

地味で落ち着いた味わいを見せてくれます。

平安時代の都人士は、錦繍燦爛の紅葉を賞翫しました。

武蔵野の詩趣の発見は、明治以降だと思います。

日本近代文学の小さからぬ功績でしょう。

Photo小説や詩の中を散策してみてはいかが。

(早い話が、本を読め、と言うこと)

たくさんの書物を読んでいる、というのは、

社会が日本文学科の学生さんに期待することのひとつです。

鶴見大学文学部日本文学科研究室