【在学生のみなさんへ】

2012年6月24日 (日)

花【在学生のみなさんへ】

アジサイが咲くと、そろそろ定期試験の季節です。

人目を引く花ばかりではありません。

地味ながら昆虫たちの働き場所となり、大切な食材につながるもの。

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にんじんの花です。

ミツバチの勤勉な後ろ姿もご登場。

6月28日(木)午後、大学院の説明会があります。

6号館1階奥、院生控え室へ、どうぞ。

ささやかなおもてなしも用意されている、そうです。

地味だけれど実証的で有用な研究が、誇りです。

2012年4月24日 (火)

ご相談に、どうぞ【在学生のみなさんへ】

今年も黄金週間が近づきました。

とても珍しい本のなかから、絵をひとつ。

端午の節句にちなみ、鎧武者と粽(ちまき)です。

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説明が付いています。

「よろゐ(鎧)をきた人が、ちまきをかわごと」

さて、この続きはなんでしょう。

気になったら、学習アドバイザーにお尋ねください。

わからないことはなんでも質問、これが勉強の早道。

日本文学科は木曜(15時~19時)、大学院生の山崎君が担当します。

見かけと大違い(?)、とてもやさしく親切です。

2012年3月21日 (水)

豊かさ、複雑さ【在学生のみなさんへ】

春らしい陽気は心浮き立つものですが、花粉のせいで、くしゃみや涙目。

世の中、単純ではありません。

暖かな日差しに誘われ、鼻水にもめげず、ちょっと遠出をしました。

そこで見かけたのが、「善寧児先生」を讃える碑。

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「善寧児」をすぐに「ジェンナー」と読めた人は、偉い。

勿論、天然痘予防に大功績のあった、イギリス人E.ジェンナーです。

種痘によって病を逃れた人々が建立しました。

すぐ近くに、天然理心流第2代近藤三助の碑もあります。

(天然理心流第4代は、言わずと知れた近藤勇!)

新撰組につながる剣客と英国の医者が、仲よく隣同士です。

歴史の多様性・豊穣さは、かくの如し。

図式や流行の言葉で割り切ることの浅はかさを、実感。

2012年2月14日 (火)

寒牡丹【在学生のみなさんへ】

みなさんは定期試験が終わり、成績発表を待つばかり。

こちらは、入試やら会議やらに忙殺されるこの頃です。

すこし時間を作って、東海の城下町に出かけました。

勿論、典籍調査のためです。

文庫の前に、寒牡丹が咲いていました。

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土壌管理・寒さよけの覆い・剪定など、丹誠のほどがしのばれます。

私たちの講義も、目に見えない所での準備がとても大切です。

学会発表の水準で授業を行い、わかりやすく伝えること。

訪書旅行は、花を咲かせるための下地造りのひとつです。

2011年11月24日 (木)

自由な発想【在学生のみなさんへ】

休みを利用して、古典籍の調査に出かけました。

静かな城下町のその街角に、ひときわ目を引く色使い。

みずみずしいグリーンのポストです。

町の特産、抹茶をイメージしたとか。

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明治時代、郵便制度発足時点では、黒く塗られた箱でした。

赤い郵便箱は、イギリスにならったもの。

色ひとつをとっても、既存の枠組みにとらわれない自由さや柔軟な発想は大切です。

ただし、自由が無知と蛮勇の隣にあるのは困ります。

確かな基礎の上に展開する自由闊達、が望ましいでしょう。

平凡なもの言いにて誠に恐縮。

2011年10月12日 (水)

みのりの秋【在学生のみなさんへ】

後期の授業は、ちゃんと理解出来ていますか。

わからないことは、尋ねてみるのが一番です。

わからないことは借金みたいなもので、増えると手に負えなくなります。

こちらはお教えするのが商売ですので、いかようにも対応可能。

質問大歓迎です。

とりあえず、休まないことを心がけて!

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四条派の名手、松村景文が稲穂と雀を描きました。

景文は、このホームページ二度目の登場です。

さすがに卓抜な描写力、しっかりとみのりの風景をとらえています。

みなさんも充実の秋をお迎えください。

2011年8月23日 (火)

技と力【在学生のみなさんへ】

なぜ古くさい和歌や物語を読むのか、面倒なのに。

勿論、おもしろいから、です。

(私は、古典の現代的意義なんぞ考えたこともありません)

現在なくなってしまったもの・異質なものこそおもしろい。

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写真、それとも3D映像? いえいえ明治35年(1902)の木版画です。

精緻・繊細・厳密、それでいて芸術的な高さ!

100年後の現在、この技と力はとても望めません。

古典文学にも同じようなことが言えます。

今とは異なる言葉の技術や作品創造の力に、まず驚いてみましょう。

2011年7月29日 (金)

一段落【在学生のみなさんへ】

定期試験が終わり、ほっと一息、これから夏休みです。

(こちらは相変わらずの雑用と、後期授業の準備と、そして研究に追われています)

まとまった調べ物をしたり、長い小説を読んだり、旅行に出かけたり・・・

ともかくこの季節でないとできないことを、しっかりと。

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スイカのようにみえますが、大型のウリ(マクワウリ)でしょうか。

西本願寺本三十六人集の料紙を復元したものです。

スイカが日本にやってくるのは、南北朝の頃とか。

額田王や紫式部や源頼朝は、スイカを知らなかったのです!

季節の味も十分に堪能してください。

2011年5月 9日 (月)

汽笛一声【在学生のみなさんへ】

新緑の季節です。

しばらくすると、一泊参禅の催しがあります。

慣れない作法やお寺の環境に、とまどうこともあるでしょう。

新入生のみなさんには、いい経験になるかと思います。

体調を整えて、いざ。

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明治の機関車(陸蒸気)が、新橋へ。

右手は泉岳寺、左には高輪の海が広がっています。

画面奥は横浜、鶴見は月の下あたりでしょうか。

洋風汽船と和船が浮かび、いかにも文明開化の風景です。

2011年4月23日 (土)

読めるところから【在学生のみなさんへ】

新緑の候となりました。

ケヤキ・楠・若楓、とりどりに個性があって、見事です。

日本文学会の刊行物が配布される季節でもあります。

多少(あるいは、相当)難しくても、読めるところから読んでみてください。

ちょっとだけ背伸びをしてみることも、大切です。

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室町時代に写された『伊勢物語』(第12段、伝明融筆)です。

すぐに読める文字も、調べて分かる文字もあるでしょう。

500年も昔の書物が読める。不思議だと思いませんか。

ともあれ、読めるところから。