追慕【研究室から】
晩秋のこの頃、いろいろな方のお世話になってきた、としみじみ思います。
ご命日が近い秋山虔先生も、そのお一人。
出来の良くない弟子を、寛容に見ていてくださった。
先生のご配慮で、研究者の道を歩むことが出来たのです。
90歳になられるまで、幾度も鶴見へ足を運ばれました。
展示や講演会へ来てくださると、お菓子をお出しします。
たいてい最中か甘納豆を選んでいました。
(結局のところ、担当者の好みを押しつけてしまったのかもしれません)
今日は、古伊万里に甘納豆の組み合わせです。甘納豆は珍しくありませんが、古伊万里段重は稀品。
1段1段の胴が丸みを帯びていて、とてもやさしい表情です。
これからお茶を淹れて、先生を偲びます。
「仰げば尊し、わが師(和菓子)の恩」です。
駄洒落なんぞ不謹慎とおっしゃっては、いけません。
鶴見大学文学部日本文学科研究室