暦の上では【研究室から】
もちろん春ですが、明日あたり雪の心配もしなければ。
(以前ご紹介したとおり、春に降る雪を「残りの雪」と言いました)
それでも蝋梅が花盛り、早咲きの桜は蕾を開きかかっています。
明治の浮世絵師楊洲周延に『東風俗福づくし』があります。
蝙蝠・呉服など、フクと読む文字にちなんで描き上げた作品です。
高く薫る梅を背景に、あでやかな女性を描いた「馥郁」が佳品。
それはそれとして、馥郁たる蝋梅へもどりますと・・・なかなかの光景でした。
さて、残念なお話をせねばなりません。
歴史小説の分野で大きなお仕事を残された永井路子先生のご逝去です。
評論・随筆・学術的著作にも健筆を振るわれました。
以前、縦横に書き入れのある手沢の国史大系を見たことがあります。
すっかり綴じが緩んでおり、韋編三絶もかくやと思われました。
明るく飾らないお人柄を忘れることは出来ません。本学に来ていただいた折、おねだりしたサインです。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
永井先生につきましては、またいずれ。
鶴見大学文学部日本文学科研究室