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2023年2月

2023年2月22日 (水)

歌は思へど【研究室から】

ご存じ「早春賦」の一節です。

梅が見頃を迎え、桜便りの待ち遠しいこのごろ。

まだ鶯は「声も立てず」。

そこで梅の蒔絵小皿に、和菓子をあしらうと・・・Photoはい、梅に鶯です。

鶯餅は、椿餅や猪子餅ほどの長い歴史を持っていません。

それでもざっと400年以上の伝統のある和菓子です。

発祥の地は大和郡山とか。

昔、柳沢文庫の調査に出かけたことがあります。

(郡山の藩主は柳沢氏)

文庫はお城の中にあり、閲覧室の雰囲気も窓からの眺めも上々でした。

このようなふみくらの番をして余生を送るのは、理想のひとつでしょう。

時々鶯餅をつまんだりしながら。

夢物語ですね。

鶴見大学文学部日本文学科研究室

2023年2月 9日 (木)

暦の上では【研究室から】

もちろん春ですが、明日あたり雪の心配もしなければ。

(以前ご紹介したとおり、春に降る雪を「残りの雪」と言いました)

それでも蝋梅が花盛り、早咲きの桜は蕾を開きかかっています。

明治の浮世絵師楊洲周延に『東風俗福づくし』があります。

蝙蝠・呉服など、フクと読む文字にちなんで描き上げた作品です。

高く薫る梅を背景に、あでやかな女性を描いた「馥郁」が佳品。

それはそれとして、馥郁たる蝋梅へもどりますと・・・Photoなかなかの光景でした。

さて、残念なお話をせねばなりません。

歴史小説の分野で大きなお仕事を残された永井路子先生のご逝去です。

評論・随筆・学術的著作にも健筆を振るわれました。

以前、縦横に書き入れのある手沢の国史大系を見たことがあります。

すっかり綴じが緩んでおり、韋編三絶もかくやと思われました。

明るく飾らないお人柄を忘れることは出来ません。Epson001本学に来ていただいた折、おねだりしたサインです。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。

永井先生につきましては、またいずれ。

鶴見大学文学部日本文学科研究室