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2022年9月

2022年9月25日 (日)

花より団子、ではなく【研究室から】

この時期はおはぎ。萩の花の次です。

各地で多彩なおはぎが作られています。

みなさまのふるさとでは、どんなおはぎを食べていますか。

小豆(粒餡・漉し餡)、きな粉、ごまが一般的な形です。

担当者はきな粉のおはぎが苦手でした。

きな粉のおいしさを実感するようになったのは、かなり後年です。

それはそれとして、今回はごまのおはぎに登場して貰います。Cimg0023洗練された形ではありませんが、貫禄十分。

器は江戸中期の藍九谷です。

秋草と蔓帯のしゃれたデザインで、何を載せても引き立ちます。

小豆は、奈良時代以来の食材です。

小豆粥は『土左日記』にも出てきます。

室町時代におはぎの原型はあったでしょうが、まだ砂糖は普及していません。

甘くないおはぎでしょう。

江戸時代になって、大いに好まれる食べ物となりました。

では、秋の夜長、お茶とお菓子と読書でお楽しみください。

鶴見大学文学部日本文学科研究室

2022年9月 4日 (日)

秋芽子の花【研究室から】

「ももくさの花のひもとく」と詠まれるほど、いろいろあります。

万葉の時代から可憐で慎ましい姿が愛されたのは、萩。

芽子あるいは芽の1字で、ハギと読みます。よって秋芽子はアキハギ。

鹿鳴草とも書くのは、鹿が好んで立ち寄ると考えられたから。

派手な所はありませんので、撮影が難しい。

Photo花の魅力をお伝えできず,すみません。

せめてものことに、和歌1首。

「ふるさとのもとあらの小萩いたづらに見る人なしに咲きかちるらむ」

第3代鎌倉殿の作です。出典はおしらべください。

なお、萩の若い茎はおいしく食べられるそうです。

鶴見大学文学部日本文学科研究室