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2021年7月

2021年7月25日 (日)

花開きて香散ず【研究室から】

蓮の花盛りです。

緑深い葉も、葉の上の露も、あでやかな花も、それぞれに結構ながら、

水面に広がる、高い香りがすばらしい。

(睡蓮もまた別種の魅力がありますので、別の機会に)Photo昨日の昼下がり、花も暑さにやや力なし。

では、朝の姿はいかに。Photo_2早起きはしてみるもの、ですね。

「はちす葉のあたりの風もかをりあひて心の水を澄ます池かな」

下句の悟達ぶりが嫌みですけれど、まあ秀歌ということにしましょう。

香りをお届け出来ず、すみません。

鶴見大学文学部日本文学科研究室

2021年7月14日 (水)

波紋さまざま【研究室から】

今日は、パリ祭。フランス革命記念日です。

革命の影響は、驚くほど広く遠くに及びました。

波紋の結果が肯定的なものばかりではなかったことは、勿論です。

C.ディケンズやA.フランスの小説をお読みください。

中世からの伝統で、パーチメントの見事な宗教書が作られましたけれども、

革命以後、美術品としても価値の高い大型写本は見られなくなる、とか。

(東京芸大の先生から聞いたところを受け売り)

書物の歴史から姿が消える直前の写本は、こんな風情。Img20210714_18020502ラ・マルセイエーズの歌声が響く少し前のグレゴリオ楽譜です。

中世の写本に比べると、ずいぶんすっきりとして読みやすくなっています。

音符が四角であることや4線譜であることも、面白いでしょう。

ハイドンが活躍し、モーツアルトが生まれる頃に作られました。

縦50㎝に迫る大型本は、存在感十分。

革命以後作られなくなった書物の、形見です。

文化大革命や明治維新後の廃仏毀釈については、いずれ。

鶴見大学文学部日本文学科研究室