変化【研究室から】
「へんか」でも「へんげ」でも、お好きな読み方で結構です。
花の色の多彩・微妙は、アジサイがその代表格。
土質によっても色調が変化します。
唐の時代玄宗と楊貴妃のころ、一日数回色の変わる花があったそうです。
「花妖」と呼ばれました。
アジサイへ戻って、古典文学にはなかなか登場しません、
飛び離れて古く、万葉集に例があります。
江戸時代、そして近代になってから、広く好まれるようになったのでしょう。
小説家では泉鏡花、画家では鏑木清方が愛好家の代表格。
鏡花の作品に清方が挿絵を描いたものは、人気があり高価です。
絵師鰭崎英朋も、鏡花の小説に彩りをそえました。
(英朋については、以前ご紹介したことがあります)
この時期ですから、爽やか・あっさりの染付に再度登場してもらいます。
アジサイにちなむ涼しげな和菓子を載せました。
裏側が洒落ていますので、見参見参。高台内の印は、この時期の伊万里染付にしばしば見かけます。
もとの字は「乾」でしょうか。
なお、研究棟脇の雑木林でホトトギスが鳴いていました。
その昔、コウモリを見たこともあります。
研究棟の廊下には、時にムカデも出てきます。
自然豊か、と言うことでしょう。
鶴見大学文学部日本文学科研究室