水無月【研究室から】
少しずつ、平常の大学に戻っています。
研究棟のあたりに紫陽花が咲き始めると、6月の到来を実感。
「またたちかへる水無月の
なげきをたれに語るべき
沙羅のみづ枝にはなさけば
かなしき人のめぞみゆる」
ご存じ、芥川龍之介の今様です。
近代今様の名手は、佐藤春夫と芥川でしょうか。
今様は、とても優れた定型詩です。
現在、これに手を染める人がほとんどおられないのは、不思議なこと。
と言いつつ、今回の狙いは全く別のところにあります。
敵は本能寺、和菓子の「水無月」です。
(本能寺の変も6月でした)
関西の食べ物ですが、近年こちらでも見かけるようになりました。
気取らずあっさり、この時期一押しの菓子です。
器は、1600年前後の景徳鎮染付です。
(本当の狙いは、この皿を自慢すること)
馴染みの和菓子屋と素敵な器があれば、たいてい気分よく過ごせます。
鶴見大学文学部日本文学科研究室