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2020年6月 6日 (土)

水無月【研究室から】

少しずつ、平常の大学に戻っています。

研究棟のあたりに紫陽花が咲き始めると、6月の到来を実感。

「またたちかへる水無月の

 なげきをたれに語るべき

 沙羅のみづ枝にはなさけば

 かなしき人のめぞみゆる」

ご存じ、芥川龍之介の今様です。

近代今様の名手は、佐藤春夫と芥川でしょうか。

今様は、とても優れた定型詩です。

現在、これに手を染める人がほとんどおられないのは、不思議なこと。

と言いつつ、今回の狙いは全く別のところにあります。

敵は本能寺、和菓子の「水無月」です。

(本能寺の変も6月でした)

Photo ういろう生地に小豆の蜜煮を載せたもの。

関西の食べ物ですが、近年こちらでも見かけるようになりました。

気取らずあっさり、この時期一押しの菓子です。

器は、1600年前後の景徳鎮染付です。

(本当の狙いは、この皿を自慢すること)

馴染みの和菓子屋と素敵な器があれば、たいてい気分よく過ごせます。

鶴見大学文学部日本文学科研究室