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2019年5月

2019年5月22日 (水)

緑のキャンパス【お知らせ】

風薫る5月、26日(日)はオープンキャンパス!

多彩な企画が目白押しですので、是非お越しください。

新沢教授が万葉集を題材に模擬授業を行います。

話題の新年号「令和」の出典とされる箇所が取り上げられる予定です。

この「令和」、万葉集を遡って文選にも現れます。

実は、「令」と「和」が同じ文脈中に出てくる古典は、かなり多いのです。

ひとつお目に掛けます。

Photo 第5行、上から2番目が「令」、7番目が「和」。

(さて、何と言う作品でしょうか)

みなさんも「令和」をあちこちから捜してみては。

100例以上見つかるかと思います。

では、緑のキャンパスでお待ちしております。

鶴見大学文学部日本文学科研究室

2019年5月17日 (金)

源氏物語の五月【研究室から】

日一日と緑が濃くなる初夏のこの頃、いかがお過ごしでしょうか。

源氏物語には、5月を描いたところがいくつか出てきます。

よく知られているのは、やはり花散里の巻でしょうか。

「二十日の月、さしいづるほど」とありますので、ちょうど今頃です。

江戸の文人は巻の風情を「猶有杜鵑悲往事 橘花香処一声啼」と詠じました。

南北朝の抄出写本では、次のようになっています。

Photo 一部分をお示ししました。

こんな本で読めば、また格別。

何で読んでも変わらないではないか、と仰る声が聞こえてきそうです。

もし、あなたが人も羨む大富豪でいらっしゃるならば、

少しくらい安手でしみったれた学問でも、まあよろしいでしょう。

しかし、一生遊んで暮らせるほどの資産をお持ちでなければ、

せめて学問くらい贅沢にしようではありませんか。

すてきな書物は、贅沢のひとつです。

さて、5月26日(日)は、オープンキャンパス

午後1時より開催します。

図書館ではいろいろな貴重書を展示しますので、是非おいでください。

鶴見大学文学部日本文学科研究室

2019年5月 9日 (木)

ものは器で【研究室から】

爽やかな季節となりました。ますます勉強がはかどるでしょう。

それはそれとして、和菓子を頂戴しました。

何と取り合わせたものか、あれこれ思案。

結局、交趾焼の小皿を取り出すこととなりました。

いかにも清朝らしい龍の刻紋に透明な黄釉が掛けられています。

Cimg0011_2 「ものは器で食わせる」の言い回しが、落語のあちこちに出てきます。

お好みの器で季節の食材を楽しみましょう。

百年二百年を経た器であれば、なお結構。

落語で古い器と言えば、いろいろありますが、まず「猫の皿」。

古今亭志ん生が味のある茶屋の親父を語っておりました。

それはよく知られていますので、古伊万里の犬の皿はどうでしょう。

井伏鱒二『荻窪風土記』をお読みあれ。

高麗梅鉢の皿と猫、古伊万里の食器と犬。

好一対かと。

なお、新元号「令和」にちなみ図書館でミニ展示を開催しています。

わずか3点ですが、古活字版は名品です。

また、番付風一枚物は珍しい資料でしょう。是非御覧ください。

鶴見大学文学部日本文学科研究室