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2018年7月

2018年7月28日 (土)

花の君子【研究室から】

蓮の花盛りです。何を連想されますか。

赤猪子の歎き、遍昭が歌う露の玉、今昔の源大夫、源氏物語にも・・・

みほとけのゆかりを思われる方もあるでしょう。

漢籍では、女性と結びつく例が結構多いのです。

蓮も恋も音はレンだから、と言う説明を聞いたことがあります。

蓮は平声、恋は去声ですので、さてどうでしょう。

宋代の儒者周敦頥は、蓮を花の君子と讃えました。

(「はなのきみこ」と読んではいけません)

ここから煙草を君子になぞらえた也有へ脱線するのは、また別の機会に。

Photo 比較的色の濃い大賀ハス、香り高い花です。

周先生曰く「香遠益清」と。

浄土経典には、黄蓮華や青蓮華が書かれます。

もし実体と関わらせるならば、蓮ではなく睡蓮でしょう。

Photo_2 定期試験期間中です。

気持ちよく夏休みを迎えられるように、もう一歩!

鶴見大学文学部日本文学科研究室

2018年7月14日 (土)

御礼 (付)巴里祭【研究室から】

14日(土)午後は、日本文学会。

研究発表2本と講演、充実の催しとなりました。

卒業生また他大学からご来聴の方々に御礼申し上げます。

今後、地域の皆様や在学生のご家族へも広報活動を行いたく存じます。

さて、今日は巴里祭です。

(「巴里」は、しっかり「パリ」と読んでください)

仏蘭西革命記念日と言う野暮な言い方もあります。

(「仏蘭西」も「フランス」と読んでください)

近代俳句の季語となっていますけれど、最近あまり耳にしません。

異国への旅が容易になったせいでしょうか。

巴里への思い入れが薄れたせいでしょうか。

ともあれ、仏蘭西の古書を取り出してみました。

学問とは本を買って読むこと、と碩学渡辺一夫(敬称略)も仰せです。

Cimg8025 150年ほど前に出版され、右頁はA・デュマ『三銃士』にちなむ彫刻。

精密な木版制作技術に驚きます。

文鎮の目障りなところはご勘弁ください。

なお、万年筆も仏蘭西生まれですが、これは演出用の小道具です。

古い書物を見る時は、もちろん鉛筆使用!

では、猛暑の候十二分のご自愛を。

鶴見大学文学部日本文学科研究室