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2011年8月

2011年8月23日 (火)

技と力【在学生のみなさんへ】

なぜ古くさい和歌や物語を読むのか、面倒なのに。

勿論、おもしろいから、です。

(私は、古典の現代的意義なんぞ考えたこともありません)

現在なくなってしまったもの・異質なものこそおもしろい。

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写真、それとも3D映像? いえいえ明治35年(1902)の木版画です。

精緻・繊細・厳密、それでいて芸術的な高さ!

100年後の現在、この技と力はとても望めません。

古典文学にも同じようなことが言えます。

今とは異なる言葉の技術や作品創造の力に、まず驚いてみましょう。

2011年8月16日 (火)

読みの伝統【高校生・受験生のみなさんへ】

夏休みも後半、ちょっと涼しげなお菓子を、志野四方鉢にのせました。

青海苔や抹茶で風味付けした麩饅頭もあります。

でも、餡と生地と笹の香りで勝負する、単純なものがいいと思います。

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ちなみに、四方鉢の「四方」は、「よほう」と読みます。

東西南北の四つの方角ならば、「しほう」(シハウ)。

正方形の意味で使えば、「よほう」。

読み分けは、平安時代以来の伝統。こんなことも日本文学科で勉強します。

8月21日(日)、オープンキャンパスへ、どうぞ。

2011年8月 9日 (火)

目にはさやかに【研究室から】

昨日、立秋。

「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」(古今集)

(平凡な引用で恐縮です)

まだ一向におどろくほどの風も吹きません。当分暑い日が続きそうです。

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季節を先取りして野の風情をお目に掛けます。

四条派の画家松村景文の絵です。画中の秋をお楽しみください。

当方いろいろと雑用があり(少しは研究も)、結局ほぼ毎日大学へ来ています。

よって「夏休み」ではなく、単なる「夏」。