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なぜ古くさい和歌や物語を読むのか、面倒なのに。
勿論、おもしろいから、です。
(私は、古典の現代的意義なんぞ考えたこともありません)
現在なくなってしまったもの・異質なものこそおもしろい。
写真、それとも3D映像? いえいえ明治35年(1902)の木版画です。
精緻・繊細・厳密、それでいて芸術的な高さ!
100年後の現在、この技と力はとても望めません。
古典文学にも同じようなことが言えます。
今とは異なる言葉の技術や作品創造の力に、まず驚いてみましょう。
夏休みも後半、ちょっと涼しげなお菓子を、志野四方鉢にのせました。
青海苔や抹茶で風味付けした麩饅頭もあります。
でも、餡と生地と笹の香りで勝負する、単純なものがいいと思います。
ちなみに、四方鉢の「四方」は、「よほう」と読みます。
東西南北の四つの方角ならば、「しほう」(シハウ)。
正方形の意味で使えば、「よほう」。
読み分けは、平安時代以来の伝統。こんなことも日本文学科で勉強します。
8月21日(日)、夏のオープンキャンパスへ、どうぞ。
昨日、立秋。
「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」(古今集)
(平凡な引用で恐縮です)
まだ一向におどろくほどの風も吹きません。当分暑い日が続きそうです。
季節を先取りして野の風情をお目に掛けます。
四条派の画家松村景文の絵です。画中の秋をお楽しみください。
当方いろいろと雑用があり(少しは研究も)、結局ほぼ毎日大学へ来ています。
よって「夏休み」ではなく、単なる「夏」。