図書館広報

2010年3月23日 (火)

地下2階書庫の図書へのカビの発生(02):経緯と原因

前回は,図書館資料に発生したカビのふき取り作業開始についてお知らせしました。今回は,発生の経緯と原因についてです。

最初は,2008年夏に,図書館地下2階集密書庫の資料へのカビの発生が判明し,カビのふき取りと,空調の24時間稼動で対処しました。空調の稼働には,当然,経費が発生しますが,貴重な資料の保存環境を改善するために,24時間稼働を実施しました。さらに,空気の循環によって湿気が書架の間にこもらないように,閉館時には集密書架の,書架と書架の間の間隔を均等に開けるようにしました。

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にもかかわらず,2009年夏にも地下2階集密書庫で広範囲にカビが発生し,24時間空調でもカビの発生を抑えられない状況が判明しました。ふき取りで対処しましたが,夏に全部をふき取ることができず,2010年2月から学生アルバイトの皆さんと職員によって,組織的なふき取り作業を開始したわけです。

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カビが発生した原因として考えられるのは,地下書庫の湿気と温度です。地下の書庫では,湿気がコンクリートを通して入り込むため,カビが発生しやすくなることが考えられますが,2008年以前にカビの発生は確認できていません。また,温室効果ガス削減のため,夏の冷房の設定温度が28℃に設定され,図書館の書庫の温度が上がったことが考えられます。しかし,温度に関しても,カビの発生と冷房の設定温度が変更された時期が近いというだけで,確たる根拠はありません。

以下の写真は被害のひどい例です。カビの発生しやすい資料は,発行年が比較的古い,目の粗い布クロス製本のもので,クロスの隙間に湿気がたまりやすい形態のものです。外国の資料に発生しやすい傾向があり,9割以上が外国の資料です。また,最近の資料への発生はまったくありません。クロスの素材には,国や発行年による違いがあるようです。さらに,下の図のように,同じシリーズの資料でも発生状況に差が見られます。

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結局,カビが発生する原因を特定できず,状況を改善するこれ以上の方策もなく,根本的な対策をとることができない現状です。一度発生してしまった以上,毎年のふき取り作業で対処するしかないのでしょうか。今後の本学図書館の運営においては,大きな障害となる事態です。

他の図書館でも同様な被害が出ているものと思われますが,実体は不明です。効果的な予防やふき取り方法についての情報交換ができればよいのですが・・・。

[T.H.]

2010年2月16日 (火)

地下2階書庫の図書へのカビの発生(01):ふき取り作業開始

2010年2月から、図書館地下2階集密書庫の図書に発生したカビのふき取りを開始しました。ゴーグルをつけ、使い捨ての帽子、マスク、エプロン、手袋をつけ、完全装備での作業です。作業手順と装備については、専門業者からの指導・協力を得ています。

1)カビの発生した図書と、3階エレベーターホールでの作業風景

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2)カビを掃除機で吸い取った後、エタノールでふき取り

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3)カビをふき取った図書を屋上で陰干し

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[T.H.]

2009年12月 9日 (水)

鶴見大学図書館の蔵書、神奈川近代文学館の企画展に出品中!

「生誕130年 長谷川時雨展」 神奈川近代文学館

2009年1121日(土)~2010111日(月・祝)

現在開催中のこの企画展に鶴見大学図書館所蔵の貴重書、準貴重書を出品中ですhappy01

出品している資料は、長谷川時雨の自筆原稿2点と、泉鏡花が長谷川時雨に宛てた書簡1通、それに明治・大正期に刊行された長谷川時雨の著作6点です。

神奈川近代文学館は、山手の港が見える丘公園の中にあります。鶴見からもとても近いので、ぜひ、足をはこんでみてくださいnote

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たくさんの展示資料の中から、鶴見大学所蔵の本を探してみるのも面白いかもしれません。

見慣れた図書ラベルを発見できると思いますbleah

※ブログ掲載の展示風景写真は、神奈川近代文学館より提供していただきました。

神奈川近代文学館へはこちらから

(C.Y)

2009年11月 4日 (水)

三島市郷土資料館の企画展に貴重書を貸出中

第24回国民文化祭・しずおか2009協賛事業
企画展「百人一首と古今伝授~古今伝授のまち三島からその源流をさぐる~」
平成21年10月24日(土)~平成21年11月23日(月・祝)

「小倉百人一首かるた競技全国大会」にちなんだ関連事業として、三島市で展覧会が開催されています。百人一首の成立や、異種百人一首などの紹介、展示のほか、三島で行われたとされる古今伝授についても紹介されています。

この企画展に鶴見大学図書館の貴重書2点、「獨吟千句 (三嶋千句)」と「賦名所連謌(名所百韻)」を貸出中です。

お近くへお出かけの際は、ぜひお寄りくださいnote

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   「獨吟千句 (三島千句)」    

    

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    「賦名所連謌(名所百韻)」

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鶴見大学所蔵の貴重書は、学内貴重書展のほかにも、いろいろな施設の企画展や貴重書展で大活躍ですscissors

※ブログ掲載の展示風景写真は、三島市郷土資料館より提供いただきました。

(C.Y)

2009年9月30日 (水)

オープンキャンパス貴重書展示

今年度のオープンキャンパスが無事に終了しました

5月から始まり9月までで計5回、オープンキャンパスに参加してくださった高校生(保護者含)のうち、延べ204名の方々が図書館貴重書室を訪れてくださいましたsearcheyeありがとうございましたhappy01

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普段見ることのできない貴重書庫内や、資料をたくさんご覧いただきましたshinediamondshine

その中からいくつか紹介いたしますconfident

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横浜海岸通り之真景・・・横浜開港150周年開国博Y150にちなんで、横浜の浮世絵と泥絵を展示したうちの1点ship

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源氏物語かるたの漆箱入・・・江戸時代のもの

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マザーグースのプレイハウス・・・1933年に刊行された飛び出す絵本catbookchick

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粘土板文書(クレイタブレッド)とパピルス文書

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ちりめん本・・・和紙を使用していながら、着物の生地を思わせる素材感をもったもの

学生からぜひ展示してほしいupとの要望をいただいた逸品ですscissors

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今年TVで話題の直江兼続が刊行した『文選』・・・兼続が死去した後、寛永2年に妻のお船の方が再版したといわれているもの

などなど、このほかにもさまざまな資料を展示しましたrockshine

また来年度も展示する予定ですので、ぜひ足をお運びくださいhappy01

(kt)

2009年6月15日 (月)

ブログ開設

このたび、図書館ブログを開始することになりました。

しばらくは、きっと試行錯誤になりますが、うまく軌道にのりたいと思い描いてのスタートです。

図書館の広報活動は、最初はプリントでした。もう、30年も前のことですが。そして、ホームページの開設が1999年。便利なものができたな、と感心したことをおぼえています。それから10年で、こんどはブログの登場。まさに、星霜を経た体験。

まずは、新しいメディアで、図書館の活動やサービスについてお知らせするつもりです。広報としては、先行のホームページと併用になりますが、ここは、「just-in-time」で展開するつもりです。もちろん、館員一同でブログの発信をめざす所存であります。

図書館の公式ポーズだけではなく、いわば普段着の活動も披露できれば、と、みなさまのご笑覧を期待しています。

(azur)