【研究室から】

2016年5月10日 (火)

引き締めて【研究室から】

連休はいかがでしたか。

調子を整え、勉強のリズムをうまく作ってください。

梅雨に向かうこの季節、うかうかしていると半年無駄にしてしまいます。

わからないことがあれば、放置しないですぐ質問。

理解できないままに答だけ覚えようとしたり、

答や訳文を写したりするのは、ほとんど無駄。

まず、わかることが必要です。

さて、息抜きに珍しいお菓子をご紹介。

(息抜きが必要なほど、何かに打ち込んでいますか?)

Photo 青唐津の小皿と、道明寺粉の皮で漉し餡を包んだものの組み合わせです。

季節にちなみ「やまぶき」と言う名がついていました。

青唐津は、安土桃山から江戸初期でしょうか。

念のため、高台も。

Photo_2 なぜ唐津とわかるのだろう、と思ったら、研究室までどうぞ。

ちなみに「やまぶき」から、どんな文学作品を連想しますか。

芥川龍之介の今様でしょうか、室生犀星の王朝物でしょうか。

何も浮かばない人は、すぐ図書館へ走ってください。

なお、日本文学会春季大会につきましては、細部が決まり次第ご案内します。

鶴見大学文学部日本文学科

2016年4月 2日 (土)

花曇り三題【研究室から】

今年も見事に咲きました。大学の桜です。

新入生の皆さん、ようこそ鶴見へ。

学界第一線の研究陣が、基礎からあなた方を鍛えます。

(嫌だ、とおっしゃっても鍛えます)

それはそれといたしまして、まずは豪奢な咲きぶりをお楽しみください。

新緑との対照も魅力です。

Cimg7454 在学生の皆さん、昨年度の成績はいかがでしたか。

困ったら、まず研究棟へ足を運んでみてください。

私たちは、親切で思いやりにあふれた教員、なのです。

(意外にも!)

研究棟の小高い丘から、ご本山の桜が見えます。

勅使門のあたりは、品格高い花暦の1頁。

Cimg7451 卒業生の皆さん、お変わりなきことと存じます。

図書館脇の桜は、建物の壁を薄紅に染めるほど。

本好きの方や課題に苦労した方には、おなじみの風景でしょう。

懐かしくなったら、どうぞ。

(手土産はなくても結構です、と催促したりして)

Cimg7457 春の良き日、皆さんのご多幸を心から願っております。

鶴見大学文学部日本文学科研究室

2016年3月14日 (月)

花待つころ【研究室から】

寒暖定まらぬこのごろ、桜を待つこと切。

今日は卒業式、あいにくの雨模様です。

特に、晴れ着姿の学生さんにはお気の毒でした。

図書館では、霊元天皇ゆかりの源氏物語扇面屏風が年に一度の公開。

(ガラス越しではない、この贅沢さ!)

記念撮影をされた方も、きっといらっしゃるでしょう。

もし、気の迷いで研究したくなったら、大学院へどうぞ。

そうでない方も、お遊びにおいでください。

さて、心待ちにする桜です。

好みの絵をお目にかけます。

Photo 明治の画家、滝和亭の優美な桜。

今年は、どちらへ花見におでかけですか。

卒業生おひとりおひとりの夢が大きく開きますように。

鶴見大学文学部日本文学科

2016年1月23日 (土)

鶴見大学日本文学会賞のお知らせ

いよいよ冬学期も大詰め、定期試験やレポートに奮闘中のことと思います。

明日は再びの雪になるのでしょうか、どうぞ暖かくして過ごされますように。

さて、鶴見大学日本文学会では、毎年優秀な卒業論文に「日本文学会賞」を進呈しています。

対象者は七名程度、受賞者には卒業証書授与式の後、賞状と賞品を授与いたします。

(実はなかなか王道にして豪華な賞品〈?〉です、乞うご期待)

つきましては、目下自己推薦のエントリーを受付中です。

我こそは、という方は、教学課、または日本文学科主任の片山先生から申請用紙を受け取り、卒業論文のコピーを添えて、片山先生までご提出ください。

締め切りは平成28年2月8日〈月) です。どうぞ奮ってご応募ください!

ところで、今月16日まで、上野の森美術館で「肉筆浮世絵―美の競艶―」展が開催されていました。

会場入り口では、こちらの方々がお出迎え(とお見送り)。

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米国はシカゴの日本美術収集家による、肉筆浮世絵コレクションの来日展でした。

浮世絵の中でも、肉筆ばかりを集めた展示は珍しく、筆勢・筆彩の魅力を堪能。

展示図録の中から、お正月にちなんで、鳥文斎栄之の「七福神吉原風俗絵巻」の一部をご紹介します。

三人の福神さまがちょいと遊びにおでましです。どなたがどの駕籠においででしょうか。

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ちなみに千葉市美術館では、折しも「初期浮世絵展―版の力・筆の力―」を開催中。

初期の肉筆・版画ともに、貴重な作品が多数出展されています。

ただでさえ現存点数の少ない作品ばかり、これだけまとめて観られる機会は滅多にありません。

会期は2月28日まで、ご興味のある方はぜひお出かけください。

http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2015/0104/0104.html

鶴見大学文学部日本文学科

2015年11月29日 (日)

木枯らし【研究室から】

先日(11月14日)の日本文学会、学術講演は知的刺激がいっぱい。

懇親会も盛況でした。ご来場のみなさま、設営に協力くださった方々に感謝します。

さて師走目前、木枯らしの吹く頃となりました。

しかし、研究室廻りの銀杏も紅葉も、十分に色づいてはおりません。

郊外の名刹へ紅葉見物に出かけましたが、空振り。

悔しいので、その境内を1カットご紹介します。

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4年生は、卒業論文の仕上げに忙しいでしょう。

もうひとがんばり、日本文学会賞も待っています。

体調管理に十分配慮して冬を乗り切って下さい。

では、また。

鶴見大学文学部日本文学科

2015年10月10日 (土)

学びの秋【研究室から】

読書に、芸術鑑賞に、創作に最適の季節です。

同じ読むならば、ほんの少し贅沢に初版本や古典籍を取り出して・・・

400年ほど前の書物から、秋の歌が並んだところをお目にかけます。

Photo 日本文学科の学生さんなら、どんな歌集か突き止められるでしょう。

左端の和歌はとても有名ですし。

(知らない、とは言わせません!)

さて、しばらくすると日本文学会秋季大会が開かれます。

近日中にご案内。

鶴見大学文学部日本文学科

2015年8月 1日 (土)

朝顔【研究室から】

先日(25日)の日本文学会春季大会は、なかなかの迫力。

研究発表と講演の2本立て、それぞれに充実したお話でした。

特に、新資料を縦横に駆使した諸本研究は圧巻と言う他ありません。

その後の懇親会は大盛況にて、会場あふれんばかり。

来訪の他大学関係者また高校教員の方々に御礼申し上げます。

さて朝顔市は過ぎましたが、粋な刀装具をひとつ。

Photo 釣瓶にからむ朝顔の花、横幅わずか3糎ほどしかありません。

勿論、「朝顔に釣瓶取られて」に取材した可愛い作品です。

(誰の俳句でしょう)

もう一つ秀吟、「朝顔や一輪深き淵の色」。

これは蕪村です。

定期試験も一段落、充実した夏休みをお過ごしください。

鶴見大学日本文学科

2015年7月 3日 (金)

夏草や【研究室から】

「つはものども」は登場しません。お地蔵様です。

梅雨前の散策中に、童顔の石仏と出会いました。

享保4年己亥(1719)の銘があります。

ずっとここに立っていらっしゃっるのかは、わかりません。

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300年近く迷える衆生を静かに見守ってくださったことは、確かです。

さて、諸般の事情により遅れておりました日本文学会春季大会は7月25日(土)開催。

中世の和歌と説話の講演2本立てを予定しております。

しばらくしましたら、くわしくご案内します。

お誘い併せてお越しください。

鶴見大学文学部日本文学科

2015年3月31日 (火)

春爛漫

今年もまた、桜の季節がめぐってきました。

これまでたくさんの卒業生の門出を祝い、新入生を迎えてきた鶴見の桜が、これからも美しい花を咲かせますように。

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鶴見大学文学部日本文学科

2014年10月 1日 (水)

蒲の穂

今年はデング熱を心配しているうちに、秋の植物をいろいろ見逃してしまいました。

そこで去年のこの時期に植物園で撮った蒲(がま)の写真を。

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わかりにくいですが、緑の間に茶色い棒状の穂が見えるでしょうか。

もう一枚は少し遠くから写したものです。

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穂は見えにくいですが、水中から群生している様子がわかると思います。

冬になるとこの穂がほころびて、たくさんの綿毛が出てきます。

『古事記』の因幡の白兎の伝説に、この蒲が登場します。

和邇(わに)に皮をはがれた兎が、大穴牟遲神(おおなむぢ)に蒲を散り敷いた上に転がれば皮膚が癒えると教えられ、その通りにすると元通りになったという話ですが、実際蒲の花粉には止血効果があると言われています。

近寄って撮影することができず、全く写真映えしませんが、実物を見るとかなり存在感のある面白い植物です。

鶴見大学文学部日本文学科