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2024年5月23日 (木)

ほととぎす【研究室から】

梅雨間近です。

木々の緑が日ごとに濃くなり、紫陽花も咲き始めました。

源氏物語の5月は、雨夜の品定め・螢の巻の物語談義など、多彩。

花散里の巻は「五月雨の空めづらしく晴れたる」日のことを綴っています。

では、明暦3年(1657)安田十兵衛版で御覧ください。Photo光源氏が見上げる夜空に、月と時鳥。

「二十日の月さし出づるほどに」とありますが、月はどう見ても満月に近い。

羽根を毟られた鶏のように見えるのが、ほととぎすです。

大学や本山でほととぎすを聞いたことはありません。

多摩丘陵や鎌倉の山間では、さかんに鳴いています。

同じ名前の植物もありますので、お調べください。

ついでに申しますと、ほととぎすが登場する仏典もあるのです。

(偽経とされていますけれど)

この話はいずれ。

鶴見大学文学部日本文学科研究室