ほととぎす【研究室から】
梅雨間近です。
木々の緑が日ごとに濃くなり、紫陽花も咲き始めました。
源氏物語の5月は、雨夜の品定め・螢の巻の物語談義など、多彩。
花散里の巻は「五月雨の空めづらしく晴れたる」日のことを綴っています。
では、明暦3年(1657)安田十兵衛版で御覧ください。光源氏が見上げる夜空に、月と時鳥。
「二十日の月さし出づるほどに」とありますが、月はどう見ても満月に近い。
羽根を毟られた鶏のように見えるのが、ほととぎすです。
大学や本山でほととぎすを聞いたことはありません。
多摩丘陵や鎌倉の山間では、さかんに鳴いています。
同じ名前の植物もありますので、お調べください。
ついでに申しますと、ほととぎすが登場する仏典もあるのです。
(偽経とされていますけれど)
この話はいずれ。
鶴見大学文学部日本文学科研究室