まなぶ【研究室から】
暑さのしのぎにくい毎日です。
夜になって涼しい風が吹く折は、ほっとします。
木々や竹を吹き過ぎる風は、雨の音のようにも聞こえます。
古人はこれを漢詩や和歌に表現しました。
3行目と4行目は涼しげな光景が詠まれます。
(和漢朗詠集ですので、お調べください)
さて、眼力に自信のある方に質問。
この本をいつごろの書写とお考えでしょうか。
書風だけから判断すれば、平安末期と言うところでしょう。
でも実物を見ると、紙質・装丁は江戸時代。
となれば、相当の古写本を巧妙に模写したもの、と推定出来ます。
古い筆跡を「まなぶ」結果、生まれた書物ですね。
「まなぶ」の基本は「まねぶ」(真似る)こと。
種明かしをしますと、模写の原本は逸翁美術館(大阪池田市)にあります。
鶴見大学文学部日本文学科研究室