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2022年1月

2022年1月30日 (日)

馥郁【研究室から】

寒い日が続きます。

風邪や流行中の疾疫には十分ご注意ください。

さて、花の少ないこの季節にも、梢から素敵な香りが。

蝋梅です。

つややかな花びらを透かして、冬の陽が降り注ぎます。

江戸時代の初めに朝鮮半島経由で渡来しました。

ですから、これほどの花ながら古典和歌や物語には登場しません。Photo30分ほど自転車を走らせた場所で撮影しました。

馥郁たる香りをお届け出来ないのが、残念です。

では、おすこやかにおすごしください。

特に受験生のみなさんは、万全の体調管理を。

また、多少のことには狼狽しない度胸も必要です。

鶴見大学文学部日本文学科研究室

2022年1月19日 (水)

初花【研究室から】

前回が初音、今日は初花です。

桜は勿論、梅も咲くには少し早そう。

食べ物の話です。なじみの和菓子屋さんにありました。

ふんわりとした形を牛皮で作っています。

早速、花三島の皿と取り合わせ。Photo皿は李朝前期です(お菓子は出来たて)。

和菓子屋のご主人は、「初花」か「此の花」か迷われたようです。

「此の花」は大阪ゆかりなので、「初花」にされたとか。

(「此の花」がなぜ大阪に縁があるのかはお調べください)

なお、このお店の先代は、俳句や郷土史に造詣の深い方でいらっしゃいました。

では、寒中おすこやかにお過ごしください。

鶴見大学文学部日本文学科研究室

2022年1月 8日 (土)

初音【研究室から】

あけましておめでとうございます。

珍しく横浜にも雪が積もりました。

初音と言っても、さすがに鶯はまだ鳴きません。

『源氏物語』の巻の名前です。

六条院の豪奢な春を描いており、室町時代には新年に読むお公家様もいました。

さて光源氏36歳の正月、明石姫君が住む御殿を訪れます。

「童・下仕など御前の山の小松を引き遊ぶ」楽しげな住まいです。

そこへ姫君の母明石の御方から「髭籠ども、破子など」が届けられました。

(髭籠・破子はヒゲコ・ワリゴと読みます)

300年以上昔に刊行された絵入小型本の、当該場面をご紹介。Img20220108_16343656姫君の前に、松の枝に付けた消息や髭籠が描かれます。

松を引くのは、「今日は子の日なりけり」だから。

(今年の初子は11日です)

春の年中行事はたくさんありますので、お調べくださってはどうでしょうか。

では、本年もごひいきに。

鶴見大学文学部日本文学科研究室