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2020年5月 7日 (木)

紫の雲【研究室から】

と申しましても、極楽往生のことではありません。

藤の花が咲いています。

高い香りに誘われた蜂の、羽音も聞こえます。

歌人達は、藤を紫の雲に喩えました。

落ち着かない世の中ですが、花はいつも通り。

120年ほど以前の絵を見てみましょう。

Photo 水野年方の作です。

「侍女 宝德頃之人」とありました。

宝德(1449~1452)頃の装いを知りません。

小袖に白綾織りの袴でしょうか。

そんな詮索はさておき、楽しめる絵だと思います。

若い女性は、花に舞う蝶を眺めているようです。

ついでに、竹柏園主人の歌を。

「むかひゐて言葉すくなしあえかなるゑまひににほふ藤波の花」

では、また。

鶴見大学文学部日本文学科研究室