迷墨【研究室から】
調査にも出かけにくく、それを口実に研究中断。
閑寂な山道を選んで、散策することもあります。
狸を見かけました。
人の動きが少ないせいでしょう。
机に戻り、文房具など玩弄しています。
大ぶりの墨を取り出しました。
百爵図の銘も鮮やかな、贋作。
狸ならぬ迷墨に化かされてはいけません。
(本物なら数百万、でしょうか)
真っ赤な、いえ、真っ黒な偽物です。
しかし普段使いには十分ですし、作られてから30年以上経過しています。
素性を心得た上で楽しめば、なかなかのもの。
家に籠もることの多いこの頃、お好みの文房具を並べてみてはいかが。
鶴見大学文学部日本文学科研究室