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2020年3月29日 (日)

残りの雪【研究室から】

時ならぬ雪模様。

かつてこれを「残りの雪(残雪)」と言いました。

降った雪が消え残っている、のではありません。

冬の雪が天上に残っていて、春になってから降る現象です。

160年前の3月3日も大雪でした。

(桜田門を思い出された方は、なかなか優秀)

今日は旧暦3月6日ですので、ほぼ同時期です。

雪踏み分けて桜探訪。

Photo 花はいかにも寒そうでした。

「桜ちる木の下風はさむからで空にしられぬ雪ぞちりける」

(誰の歌でしょう)

散る花を雪に見立てるのは常套ですが、本物の雪と桜は珍しい。

ついでに申せば「空にしられぬ雪」の解はちょっと厄介です。

空にはみたことのない雪が、と考える方が多いようです。

「しられぬ」を受け身と見るのはどうでしょう。

用例から帰納すると、こちらに分がありそう。

やっかいな病気蔓延を避けるべく、家にいらっしゃるみなさん、

やまとうたをじっくり読まれてはいかが。

鶴見大学文学部日本文学科研究室