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2017年12月29日 (金)

師走の月【研究室から】

大学はお休みに入りました。

通年30週の授業を確保せねばならず、休暇の短縮は必至です。

そして仕事の遅い担当者は、今日もあの本を開きこの資料を探し・・・

研究室からご本山の境内に出ると、月が宵の空高くかかっておりました。

Cimg7924_3 『源氏物語』朝顔の巻には、冬の月のおもむき深さが語られています。

そして批判の対象となったのが、師走の月を興ざめとする意見でした。

清少納言がそう言ったと古い註に書かれていますけれど、

現存『枕草子』諸本には見えません。

なお、『二中歴』には「十二月月夜」(第十三、十列歴)があります。

『枕草子』の物づくしと李義山の雑纂との類似は、よく言われるところ。

その指摘は、中村蘭林『講習余筆』が早いのでは、と思っています。

こんなことも研究の種。

では、よいお年をお迎えください。

鶴見大学文学部日本文学科研究室