師走の月【研究室から】
大学はお休みに入りました。
通年30週の授業を確保せねばならず、休暇の短縮は必至です。
そして仕事の遅い担当者は、今日もあの本を開きこの資料を探し・・・
研究室からご本山の境内に出ると、月が宵の空高くかかっておりました。
『源氏物語』朝顔の巻には、冬の月のおもむき深さが語られています。
そして批判の対象となったのが、師走の月を興ざめとする意見でした。
清少納言がそう言ったと古い註に書かれていますけれど、
現存『枕草子』諸本には見えません。
なお、『二中歴』には「十二月月夜」(第十三、十列歴)があります。
『枕草子』の物づくしと李義山の雑纂との類似は、よく言われるところ。
その指摘は、中村蘭林『講習余筆』が早いのでは、と思っています。
こんなことも研究の種。
では、よいお年をお迎えください。
鶴見大学文学部日本文学科研究室