蒲の穂
今年はデング熱を心配しているうちに、秋の植物をいろいろ見逃してしまいました。
そこで去年のこの時期に植物園で撮った蒲(がま)の写真を。
わかりにくいですが、緑の間に茶色い棒状の穂が見えるでしょうか。
もう一枚は少し遠くから写したものです。
穂は見えにくいですが、水中から群生している様子がわかると思います。
冬になるとこの穂がほころびて、たくさんの綿毛が出てきます。
『古事記』の因幡の白兎の伝説に、この蒲が登場します。
和邇(わに)に皮をはがれた兎が、大穴牟遲神(おおなむぢ)に蒲を散り敷いた上に転がれば皮膚が癒えると教えられ、その通りにすると元通りになったという話ですが、実際蒲の花粉には止血効果があると言われています。
近寄って撮影することができず、全く写真映えしませんが、実物を見るとかなり存在感のある面白い植物です。
鶴見大学文学部日本文学科