大きな眼【研究室から】
久しぶりに鎌倉まで出かけました。
緑濃く,鶯はややくたびれた声。
永井路子先生の展示を見るためです。
小さなコーナーに原稿と初版本がならんでいました。
急遽準備して追悼の意を示すところに、地元の心意気を感じます。
本学の図書館にもいろいろ資料がありますので、是非展示を。さて、永井先生の話。
大きな眼がとても印象的な方でした。
昔、切支丹大名牧村政治(まきむら まさはる)について調べたことあり。
彼の関わった玉篇がおもしろいので、論文をひとつ書くつもりでした。
これを永井先生に申し上げますと、先生の大きな眼が輝きました。
政治の生涯及びその縁者のことを、詳しくお話されたのです。
史料の上を虫が這うように、とは先生の持論ですが、なるほどと納得。
作家としてのみならず、歴史家としての技量も恐ろしい水準です。
担当者が論文をお蔵入りさせたことは、申すまでもありません。
(どこかにノートが残っているはず)
明るく気さくな、お人柄でした。
鶴見大学文学部日本文学科研究室