文月の源氏【研究室から】
明日はパリ祭です。
仏蘭西革命自体に関心がうすくとも、詩人や画家がうたげを開く日でした。
(音楽家は、パリ祭にあまり熱心でなかったようです)
近代俳句の句の季語にもなっているほど。
だんだん下火になった理由はわかりません。
毎年革命記念日にちなむ記事を書いてきましたが、ついに種切れ。
困ったときは紫式部頼み、と言うことで、椎本巻を取り上げます。
宰相中将から中納言に昇進した薫が、久しぶりに宇治を訪れる場面です。上質の斐紙に金泥下絵、品の良い能書です。
2行目以下「まいり給へり、七月ばかりになりにけり、宮こには
まだいりたゝぬ秋のけしきを、音羽山ちかく」と続きます。
名文として評価の高いところです。どうぞご自分でお読み願います。
念のため申しますと、旧暦では7月から秋。
来年のパリ祭までに適切な道具を探しますので、これにてご勘弁ください。
鶴見大学文学部日本文学科研究室