初音【研究室から】
あけましておめでとうございます。
珍しく横浜にも雪が積もりました。
初音と言っても、さすがに鶯はまだ鳴きません。
『源氏物語』の巻の名前です。
六条院の豪奢な春を描いており、室町時代には新年に読むお公家様もいました。
さて光源氏36歳の正月、明石姫君が住む御殿を訪れます。
「童・下仕など御前の山の小松を引き遊ぶ」楽しげな住まいです。
そこへ姫君の母明石の御方から「髭籠ども、破子など」が届けられました。
(髭籠・破子はヒゲコ・ワリゴと読みます)
300年以上昔に刊行された絵入小型本の、当該場面をご紹介。姫君の前に、松の枝に付けた消息や髭籠が描かれます。
松を引くのは、「今日は子の日なりけり」だから。
(今年の初子は11日です)
春の年中行事はたくさんありますので、お調べくださってはどうでしょうか。
では、本年もごひいきに。
鶴見大学文学部日本文学科研究室