かの白く咲けるを【研究室から】
暑い毎日、大学では授業が行われています。
(学科および科目によって差あり)
COVID-19も炎熱も、早くおさまってほしいところです。
「かう暑くては猫と雖も遣り切れない」とは、ご存じ漱石先生の弁。
せめて、黄昏時の涼しげな風景をお目にかけましょう。
牛が2頭、車を引かせられて暑苦しそうじゃないか、と仰ってはいけません。
刀の柄に用いられる目貫で、どちらも3センチほどの大きさ。
艶のある赤銅に金銀の象眼が冴えています。
(この場合の赤銅は、金と銅の合金)
キュウリやスイカと同じような形の花です。
牛車の御簾は5ミリほどの間に15本刻まれています。
目立たないところにやたらと力をいれる心意気!
六条わたりのしのび歩きに、夕顔の咲く家がありました。
光源氏はその前で車を止め、花の名を随身に尋ねます。
「かの白く咲けるをなむ夕顔と申し侍る」
以下、あわれ深い話へと発展、どうぞご自分でお読みください。
人物を登場させず、持ち物や風景だけで暗示する「留守模様」。
刀装具には、源氏物語や六歌仙など意外にみやびな題材が使われます。
調べてみてはいかが(文化財学科のレポートとしても)。
鶴見大学文学部日本文学科研究室